新型コロナ対策で臨時奨学金の給付決定相次ぐ 大学界

新型コロナウイルス感染症対策として、全国の大学で、学生への臨時奨学金の給付が広がっている。生活が困窮している学生の支援や、オンライン学習の環境整備を目的としたものだ。

東北大学は約4億円を投じ、緊急奨学金などによる学生への緊急支援を決定した。アルバイトの自粛により収入が減少している学生のために、オンラインで勤労の場を提供。学生ピアサポーター2500人とオンライン授業推進のエキスパートティーチングアシスタント100人に有償で従事してもらう方針だ。また、生活困窮学生に対する個別相談窓口を開設し、事情に応じて緊急給付型奨学金を支給する。このほか、オンライン学習のためのネット環境が不十分な学生全員を対象に、パソコン及びWi-Fiルーターを貸し出す。

芝浦工業大学は、家庭におけるパソコン環境整備費やネット通信費の補助として、全学生に対し前期オンライン授業対応のための一律6万円の臨時奨学金(給付)を用意することを決定。2020年度後期の学費から6万円を減額することで給付する。

学校法人城西大学は、城西大学・城西国際大学・城西短期大学の留学生を含む全在学生(約1万4000人)に臨時奨学金(給付)として一律5万円を支給する。3大学ではオンライン講義を5月11日から始める予定で、臨時奨学金はパソコンやインターネット環境の整備や通信費用などに充ててもらうことを想定している。また、2020年度の学費の納入期限を4月末から6月30日に延長することを決定した。

大学生団体「高等教育無償化プロジェクトFREE」が4月22日に公表した「新型コロナ感染拡大の学生生活への影響調査」によれば、「家族の収入が減った」「なくなった」学生が4割、「アルバイトの収入が減った」「なくなった」学生は6割にのぼっている。

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多くの大学ではキャンパスへの立ち入りが制限されている(写真はイメージ)