【6月16日松本洋平文科大臣会見】旧石器時代の小学校教育への導入要望に「中教審の議論見守る」

松本洋平文部科学大臣は2026年6月16日の記者会見で、H3ロケット6号機の打ち上げ成功、2026年度こども霞が関見学デーの開催、小学校社会科における旧石器時代の記述をめぐる要望書への見解、同志社国際高等学校の研修旅行中に発生した辺野古沖事故から3か月が経過したことを踏まえた受け止めと今後の対応、の4件について述べた。

Photo by hamazou/ Adobe Stock

H3ロケット6号機が打ち上げ成功 「H3-30形態」の初実証

2026年6月12日午前9時53分59秒、H3ロケット6号機が種子島宇宙センター大型ロケット発射場から打ち上げられ、メインミッションである2段目の軌道投入に成功した。搭載していた小型副衛星6機すべての分離にも成功している。今回の6号機は固体ロケットブースターを搭載せず、液体燃料エンジン「LE-9」を3基のみで飛行する「H3-30形態」と呼ばれる新しい形態の試験機であり、H3ロケットがこの形態で飛行するのは初めてのことだった。

松本大臣は、2025年12月の8号機失敗以降初となる打ち上げであり、液体燃料エンジン3基のみで飛行する新しい形態のロケットの実証に成功したことを大変喜ばしく思うと述べ、関係者の尽力に深く敬意を表した。信頼回復に向けた評価については、評価を下すのは当事者ではなく第三者であるとしつつ、今後も成功を積み重ねることで国内外からの信頼を高めていきたいとの考えを示した。

「みちびき7号機」搭載の9号機、8月7日に打ち上げへ

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2026年6月15日、H3ロケット9号機による準天頂衛星システム「みちびき7号機」の打ち上げ予定日を同年8月7日と発表した。打ち上げ予定時間帯は日本時間4時30分から6時00分(日本標準時、24時間表記)で、打ち上げ予備期間は2026年8月8日から同年8月31日まで設けられている。松本大臣は、宇宙基本計画工程表に沿ってH3ロケットによる火星衛星探査計画(MMX:Martian Moons eXploration)や新型宇宙ステーション補給機2号機(HTV-X2)なども今年度中に打ち上げが予定されていると説明し、国際的な協力も含め宇宙開発を推進していく方針を示した。

夏休み中に「こども霞が関見学デー」 文科省は70以上のプログラムを実施予定

文部科学省は2026年度の「こども霞が関見学デー」を、2026年7月29日(水曜日)・30日(木曜日)に実施する。各府省庁等が連携し、所管の業務説明や関連業務の展示等を行うことで、夏休み期間中に子供たちに広く社会を知ってもらうことや、活動参加を通じて親子の触れ合いを深めることを目的とした取り組みで、対象は小・中学生・幼児等(原則として保護者同伴)。文部科学省公式ウェブサイトによれば、参加府省庁等は30機関(予定)にのぼる。松本大臣は会見で、文部科学省として「大臣室へようこそ」をはじめ70以上のプログラムを実施すると述べた。詳細は会見当日の14時に文部科学省ウェブサイトで公表するとされた。

旧石器時代の小学校教育への導入要望 大臣「中央教育審議会の議論を見守る」

日本航空考古学協会など3団体が、小学校の学習指導要領に旧石器時代に関する内容を盛り込むよう求める要望書を松本大臣および中央教育審議会会長宛てに提出したことに対し、大臣は要望書の内容を確認したと述べた。現行の学習指導要領における小学校社会科は、歴史上の人物の働きを通じて大まかな歴史の流れを学ぶ構成となっており、旧石器時代を小学校段階で指導することとはなっていないと説明した。一方で、中学校・高等学校においては旧石器時代を取り扱っており、初等中等教育全体としては人類の出現から歴史の流れを学ぶ構成となっているとも補足した。次期学習指導要領については中央教育審議会において専門的見地から議論が行われているとして、大臣としての見解を述べることは差し控えると語った。

辺野古沖事故から3か月 文科省、学校法人同志社と京都府に報告を継続要求

2026年3月16日、沖縄県名護市辺野古沖で同志社国際高等学校の研修旅行中に船が転覆し、生徒ら2人が死亡した事故から、会見日でちょうど3か月が経過した。松本大臣は改めて死亡された方々へのご冥福をお祈りするとともに、負傷された方々へのお見舞いを申し上げた。

文部科学省は2026年5月22日に調査結果を公表しており、研修旅行における同校の安全管理の取り組みについて「著しく不適切」との見解を示した。あわせて、学校法人同志社および同校の所轄庁である京都府に対して改善を求める通知を発出している。大臣は会見で、現在も学校法人同志社には学校法人としての改善状況について、京都府には同志社国際高等学校の改善状況について、それぞれ文部科学省への報告を求めていると述べた。また、学校法人同志社に設置された特別調査委員会において原因分析など検証が進められているとの認識を示し、今後も検証状況を確認しつつ京都府と連携して対応にあたる方針を示した。

全国的な再発防止については、2026年4月7日付で文部科学省初等中等教育局長・総合教育政策局長・高等教育局長の連名による通知を発出し、各学校や設置者に対して安全確保や適切な教育活動の実施に向けた必要な点検・確認などの対応を求めた。松本大臣は、すべての児童生徒の安全確保に関する充実方策の検討を引き続き進め、同様の事案が二度と起きないよう取り組んでいくと述べた。