面接官の6割超が研修未経験 8割が「候補者の見極め」に課題 エン・ジャパン調査
エン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区)は本日8月29日、同社が運営する情報サイト『人事のミカタ』の利用企業を対象に、7月15日から8月6日にかけて実施した「面接官に関する実態調査」の結果を発表した。面接官の経験がある人事担当者179名(179社)から回答を得た調査によると、面接官の6割以上が専門的な研修を受けた経験がなく、8割以上が候補者の能力や適性の見極めに悩みを抱えていることが明らかになった。採用の最前線における人材育成の課題が浮き彫りとなった形だ。
経験豊富な面接官 研修機会は乏しく
調査結果によると、面接官としての経験年数では「10年以上」が37%と最も多かったものの、面接官としてのトレーニングや研修の受講経験を尋ねる質問では、「受けたことがある」との回答は36%に留まった。多くの企業で、面接が体系的なトレーニングよりも個人の経験則に依存している実態がうかがえる。
エン・ジャパンのプレスリリースより
8割が抱える悩み 最多は「能力・適性の見極め」
「面接官として悩みを感じることはあるか」という問いには、81%が「ある」と回答。具体的な悩み(複数回答可)としては、「候補者の能力や適性を正確に見極めるのが難しい」が84%で最多、次いで「候補者の本音や意欲を引き出す質問が難しい」が70%となった。
エン・ジャパンのプレスリリースより
自由回答では、「面接で聞いたスキルを入社後に依頼したところ、『やったことがない』と言われた」「Web面接では候補者の実態を掴み切れず、対面時の印象と異なるケースがある」など、採用後のミスマッチに繋がる課題を挙げる声が寄せられた。
対策は「質問の準備」 ツール活用も進む
悩みに対する対策(複数回答可)としては、「候補者の回答を深掘りする質問を準備する」が53%で最も多かった。また、面接のサポートツールとしては「適性テスト」(48%)、「オンライン面接ツール」(48%)、「面接評価シート」(45%)などが活用されている一方、4社に1社は「特に使用していない」(25%)と回答した。
今回の調査結果は、企業の採用活動における面接官のスキル標準化や育成が急務であることを示している。