香川大学 2027年度から学部授業料20%引き上げへ

国立大学法人香川大学(学長・上田夏生氏)は2026年7月17日、記者会見を開き、2027年度以降の入学者を対象とした授業料改定案を公表した。学部(昼間コース)の年間授業料を現行の53万5800円から64万2960円へ引き上げる内容で、引き上げ幅は10万円余りとなる。同大学の授業料は2005年度から22年間据え置かれてきたが、今回の案で初めて見直される。

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同大学は今後、学生や保護者などステークホルダーの意見を踏まえたうえで、8月下旬に最終的な決定を公表する予定である。

運営費交付金減少や物価高騰で財政窮迫が改定の背景に

改定の背景には、国立大学法人化以降に運営費交付金が段階的に減額される一方、近年の物価や人件費の上昇によって財務状況が厳しさを増している事情がある。同大学は外部資金の獲得など自助努力を重ねてきたものの、入学者に卒業までの質の高い学びの場を保証しつつ新たな社会的要請に応える教育の充実を図るには、追加的な財源の確保が欠かせないと判断した。上田学長は会見で、財務状況の厳しさを踏まえ、教育の質の向上と発展に取り組んでいく考えを示した。

学部授業料20%増、大学院は28年度から適用開始へ

具体的な改定内容は次のとおりである。学部(昼間コース)は53万5800円から64万2960円、学部(夜間主コース)は26万7900円から32万1480円へと、いずれも20%引き上げる。修士課程、博士前期課程、専門職学位課程も同額の64万2960円に改定するが、適用は1年遅れて2028年度入学者からとなる。医学系研究科博士課程を含む博士後期課程は改定の対象外である。改定は国内学生と留学生を区別せず適用し、編入学生については学年進行に応じて2年次編入者は2028年度、3年次編入者は2029年度の入学者から新料金を適用する。なお、在学中の学生の授業料は卒業まで現行のまま据え置く。

修学支援新制度の対象者は改定分を減免し負担増回避へ

授業料改定に伴う学生の負担増を抑えるため、経済的支援策の拡充も打ち出した。高等教育の修学支援新制度(2025年度に拡充された多子世帯向けの授業料等無償化を含む)の対象学生については、負担額が増えないよう改定分を大学独自に減免する。緊急の出費に対応する学生短期貸付金制度や、民間金融機関(消費者金融を除く)および日本政策金融公庫の教育ローン利用者を対象とした利子補給金制度も充実させる。さらに、成績優秀者への奨励制度、留学支援、学会発表支援、就職活動支援といった学生支援策を強化するほか、ティーチング・アシスタント制度の活用を広げ、大学院生の処遇改善にもつなげる考えである。

総額12.3億円を学修環境整備などに計画的に充当へ

改定による増収分は、学修支援環境の整備に充てる計画である。学修用ツールや学修支援システムの機能強化などに1.8億円、講義室のICT環境や学生実習設備の充実に3.8億円、相談体制や学生の自主的活動支援など学生生活支援の充実に0.5億円、保健管理センターや課外活動施設のリノベーション、空調設備の計画的な更新を含むキャンパス環境整備に6.2億円を想定しており、重要性や緊急性に応じて順次取り組んでいく考えを示した。

国立大学で学費値上げの動き広がる、岡山大なども続く

今回の改定案は、国立大学全体で広がる授業料見直しの流れとも重なる。国立大学法人岡山大学(学長・那須保友氏)は2027年度から国内学生の授業料を1.2倍の64万2960円、留学生を2.5倍の133万9500円へ引き上げることを既に正式決定した。東北大学は同年度から留学生の授業料を90万円に、筑波大学も60万8800円にそれぞれ引き上げる方針を固めている。香川大学は会見で、県外からの受験動向には一定の影響が生じ得るとしつつ、県内からの進学者への影響は限定的とみられるとの見方を示した。

意見の公募は8月21日まで、8月下旬に正式な決定へ

香川大学は今回の内容をあくまで案と位置付けている。意見の受け付けは2026年8月21日までとし、大学が用意する専用フォームを通じて行う。個別の回答は行わないとしている。