ラーニングアナリティクスの専門家に聞く 学習履歴の分析×学びの未来

コロナ禍で教育現場に e-ラーニングの導入が急速に進み、膨大な学習履歴(ログ)が蓄積されている。学習履歴を多角的に分析することで、学びの質を上げ、自律的な学習者を育む糧にする可能性について、ラーニングアナリティクスの専門家である九州大学の山田政寛准教授に話を聞いた。

オンライン授業で注目される、『学びのログ』の存在

山田 政寛

山田 政寛

九州大学 基幹教育院自然科学理論系部門准教授 大学院人間環境学府・ラーニングアナリティクスセンター(兼任)
博士(学術)。NTT コムウェア株式会社、東京工業大学大学院社会理工学研究科、日本学術振興会特別研究員(DC2)、東京大学大学院情報学環ベネッセ先端教育技術学講座(BEAT)特任助教、金沢大学大学教育開発・支援センター准教授をへて現職。

これまで教育の『成果』を計るには学校で行う試験や授業評価アンケート、全国一律で実施する学力試験あるいは教員による観察が中心だった。しかし、これらの方法では授業の雰囲気や満足度や成績のばらつきなどを評価することはできても、学習者がいつ、どのような教育リソースに対して、いかに反応したかという学習活動の評価や、なぜそのような成績になったのか分析することはできない。

そこで注目されたのが、e-ラーニングの学習履歴『ログ』も含めて多角的な分析を行い、教育や学習環境の改善に寄与する「ラーニングアナリティクス」だ…

(※全文:2361文字 画像:あり)

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