経営理念とパーパスの研究 従来の理念体系の中にパーパスをどう位置付けるか

昨今、パーパスが注目されているが、日本企業は従来から「経営理念」を掲げてきた。長年にわたり経営理念について研究する金沢星稜大学・野林晴彦教授に、経営理念とパーパスの関係、パーパスの企業内への浸透や、注目される日本企業の取組みについて、話を聞いた。

「経営理念」「パーパス」は
非常に曖昧で広範な概念

野林 晴彦

野林 晴彦

金沢星稜大学 経済学部 経営学科 教授
経営学博士。製薬企業で26年勤務(営業、マーケティング、人材開発・理念浸透、事業推進など)の後、九州国際大学経済学部、北陸学院大学短期大学部勤務を経て現職。経営理念を専門に研究。

── 経営理念とパーパスの関係や、パーパスの現状について、どのように見ていますか。

経営理念とパーパスは、どちらも非常に曖昧で広範な概念であり、実務家にとっても研究者にとっても統一した共通の定義はないのが現状です。経営理念はこれまでも、ビジョン・ミッション・バリューやCSRといった欧米からの影響を受け、幅広い概念へと変化してきました。パーパスも同様に、経営理念の大きな概念に取り込まれています(図表1参照)。

(※全文:1864文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。