リスキリングに必要な経験学習とアンラーニング 学び直しの環境をつくるには

職場を挙げてリスキリングを行う企業が増えているが、効果的に実践するためにはどうすればよいか。「経験学習」研究の第一人者である松尾睦氏に、経験学習とアンラーニングの観点から解説いただいた。

はじめに

松尾 睦

松尾 睦

北海道大学大学院経済学研究院・教授
1964年生まれ。1988年、小樽商科大学商学部卒業。2004年英国ランカスター大学経営大学院博士課程修了(Ph.D. in Management Learning)。岡山商科大学、小樽商科大学、神戸大学を経て現職。著書に『職場が生きる 人が育つ 「経験学習」入門』ほか。

リスキリングやアップスキリングが提唱されるようになったきっかけは、AIや自動化サービスの普及によって多くの業務が消滅する懸念があるためですが、コロナ・パンデミックによってその動きが加速しています。リスキリングとは、今とは別の仕事ができるようなスキルを身につけること、アップスキリングとは、今の仕事のレベルを上げるために新たなスキルを身につけることを指すことが多いです。コロナ感染が広がる前からも、環境変化に応じて自身のスキルをアップデートしなければならないことは課題とされてきましたが、現在はその変化のスピードが速くなっているために、そうした課題がクローズアップされているのです。以下では、リスキリングやアップスキリングを実践する上で欠かせない経験学習とアンラーニングについて解説します。

(※全文:2125文字 画像:あり)

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