「職業人生50年時代」の大学院教育 3つのループを回し、知識を科学化する

社会の変化に伴い教育のあり方が問い直され、学び直しに注目が集まっている。社会人の学びでは何を目指すべきか。『社会人大学院教育がひらく科学的知識創造 トリプルループ学習理論』を上梓した豊田香氏に、「知識の科学化」「抽象度調整能力」という切り口から話を聞いた。

職業人生50年時代の教育を
個人・企業はどう考えるか

豊田 香

豊田 香

拓殖大学 別科・特任講師
博士(教育学・東京大学)、MA in TESOL(Teachers College, Columbia University)。TEAと質的探究学会副編集長、日本社会教育学会国際交流幹事等を務める。人材育成学会・日本質的心理学会・日本発達心理学会、JALT所属。専門は社会教育(成人教育・学習、社会人大学院教育、キャリア発達、グローバル教育)、質的研究法、英語教育。近著に『カタログTEA(複線径路等至性アプローチ)図で響きあう』(新曜社、2023、分担著書)、『ナラティブでひらく言語教育 理論と実践』(新曜社、2021、分担著書)など。

社会人大学院教育がひらく科学的知識創造 トリプルループ学習理論

社会人大学院教育がひらく
科学的知識創造
トリプルループ学習理論

豊田 香 著
発行:新曜社
四六判 280ページ 並製
価格 2,800円+税
ISBN 978-4-7885-1786-8

── 昨年、大学院でのリカレント教育を論じる著書を出版されました。

リスキリング・リカレントが注目される背景には、学校・就労・余暇という従来の3ステージライフから、教育・就労・余暇を時に並行しながら繰り返すという、長寿化に伴うマルチステージライフへの移行があります。私は“職業人生50年時代”と言っていますが、こうした状況では、社員のキャリアを伸ばす、もしくは自ら職業能力を伸ばす場合に、何を軸に伸ばすのかを考えなくてはいけません。企業のニーズと個人の望む発達軸があり、マッチングの必要が出てきます。

(※全文:2682文字 画像:あり)

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