「スキルは未来の通貨」、個人・企業任せにせず本腰を入れるEUの政策

世界的なリスキリングの波の中で、日本の先を行く欧州。アップスキリング・リスキリング政策の現状を、ベルギー在住で自らもリカレント教育を受けた経験をもつジャーナリストの栗田路子氏にレポートいただく。

EUは『スキル』をどうとらえているのだろう。これからの地球社会において、国や地域や企業の境を越えて自由に流通し、価値を生み、豊かさを貯めるための重要な手段、つまり「未来の通貨」と定義する。だから、個々の企業や教育機関や市民任せにするのではなく、俯瞰的で長期的なビジョンをもって、EUや加盟国政府や地方自治体が、資金的にもインフラ的にも支援していかなければと本腰を入れている。その取り組みを概観してみよう。

栗田 路子

栗田 路子

在ベルギー ジャーナリスト
EU(欧州連合)諸機関が集まるベルギー・ブリュッセルをベースに活動。上智大学卒業。米国およびベルギーの経営大学院にてMBA取得。メディア・コーディネートや通訳と同時に、執筆を通して、EUおよびベルギーの政治・社会事情(教育、環境、福祉など)を発信中。環境ビジネス、ハフィントンポスト、共同通信 News47、EU Mag(駐日EU代表部公式webmagazine)、SpeakUp Oversea’sなどに執筆。

全政策分野を横断する
重要課題としてのスキル

欧州連合(EU)の内閣ともいえる欧州委員。そのトップであるウルズラ・フォン・デア・ライエン氏は、初の女性委員長として2019年、期待されて就任した。ところがその年末に新政権を発足させるや否やコロナ禍が発生し、全欧州が未曾有の危機に。さらに22年早々にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、欧州は日本とは桁違いのエネルギー危機・物価高騰に見舞われている。

(※全文:2955文字 画像:あり)

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