500種の職業データを網羅し、労働市場を「見える化」

職業を調べよう

厚生労働省は、「未来投資戦略2018」に掲げられ、労働市場の「見える化」を目指し開発が進められてきた「職業情報提供サイト」(日本版 O-NET)を3月19日にオープンしたと発表した。同サイトは約500種の職業の解説と、求められる知識やスキル等の数値データを保有する、総合的な情報提供サイト。

(1)職業検索、(2)キャリア分析、(3)人材採用支援、(4)人材活用シミュレーション、の4つの機能があり、学生から社会人、企業の人事担当者まで幅広い人が活用できる。

職業検索機能では、約500種の職業をフリーワード、スキル・知識などの7つの切り口で検索可能。詳細ページでは、解説文章や動画、数値でなどでその職業について詳しく知ることができる。例えば、文章では「どんな仕事?」「就業するには?」などを説明し、動画で仕事の様子を紹介している。また、職業が求める知識やスキルが数値データで掲載されているので、客観的な判断に役立てられる。

学生・社会人・支援者向けのキャリア分析機能では、これまでの職歴や持っている能力から、自分の「しごと能力」プロフィールを作成し、希望する職業との適合度が参照できる。

職業情報提供サイトの画面イメージ

職業情報提供サイトの画面イメージ

手順としては、まず経験した職業(職歴がなくても活用可能)を入力。必要に応じてプロフィール数値を修正し、その後、自分が希望する職業を選択すると、自分の能力と希望職業との適合度についての分析結果が表示される。この比較により、自分に必要な知識やスキルを客観的に判断できる。

企業・支援者向けの人材採用支援機能では、500種の職業情報をもとに、求める人材の職務要件(仕事内容やスキル)を明確化する。

まず、求める人材に近い職業を選択し、表示された職務要件を自社の求める人材像に合わせカスタマイズする。すると、求める人材が備えていてほしい能力が数値で記された職務要件シートが作成される。どんな能力を備えた人材を採用すべきかが客観的にわかり、求人票作成時などに役立てられる。

企業・支援者向けの人材活用シミュレーション機能では、現状の人材と将来あるべき人材の姿を客観的に比較でき、人材配置や教育訓練の検討に活用できる。手順としては、まず現在の人材に近い職業を選択し、現状に近い能力にカスタマイズ。その後、将来あるべき人材に近い職業を選択する。

現在の人材が持つしごと能力プロフィールと、将来あるべき人材に近いしごと能力プロフィールを比較でき、どこに重点を置いて教育すべきかの参考になる。