文科省、2025年度「日本型教育の海外展開応援プロジェクト」に21件を採択

文部科学省は7月4日、民間教育事業の海外輸出を支援する2025年度「日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)応援プロジェクト」に、21件を採択したことを発表した。

「EDU-Portニッポン」は、高い基礎学力や規律ある生活習慣を育むとして国際的に関心を集めているわが国の教育の海外輸出を後押しすべく、官民協働のプラットフォームを構築する事業で、2016年開始。

その一環として2021年から行われているのが「応援プロジェクト」。日本型教育の海外輸出を行う民間事業(すでに実施中のものを含む)を募集。採択された事業を前述のプラットフォームにより支援している。

支援の内容は、実施経費(一部)の負担、日本大使館の協力、現地機関との調整・仲介(推薦レターの発行、現地機関による日本の学校視察受け入れ支援等)、スクールビジット(現地機関による日本の学校視察)の受け入れなど。

4月から5月にかけて行われた公募には24件の応募があり、審査の結果、21件が採択された。

株式会社内田洋行による、現地の教員養成大学と共同でカンボジアの伝統・文化を盛り込んだデジタル学習コンテンツを開発する事業や、株式会社セルフウイングによる、初等教育から高等教育(社会人)までの成長段階に合わせたアントレプレナーシップ教育プログラムをベトナムの公教育に導入する事業、ライフイズテック株式会社による、デジタル教材をガーナの教員・生徒に適した形で再構成・調整し展開する事業などが採択された。

その他の採択事業は以下の通り(五十音順)。

実施機関名「事業名」([事業名に含まれていない場合] 実施地域)
学校法人郁文館夢学園「バングラデシュにおける日本型教育モデル校の運営と日本型教育の普及」
名古屋経済大学市邨高等学校「対話的学びと交流から取り組む ESD 活動――若者意識の変容と考察」(日本・台湾・韓国・カンボジア・ヨルダン)
Indiana Global Learning Center「日本に特徴的な生物資源を活用した教材の開発とICTの活用による科学教育の実践」(アメリカ、ポルトガル、ドミニカ共和国)
神戸山手グローバル中学校高等学校「英語イマージョン協働プロジェクト――英語で学ぶ数学とプログラミングによる国際探究学習」(フィリピン、インド)
名古屋産業大学「ネパールにおける『ゼロカーボンスクール』の活動自走化支援」
株式会社アフレル「サウジアラビア児童の未来創造力を育む日本型STEAM教育の展開」
株式会社 With The World「日本とアジア諸国等の相互理解/SDGs 促進に向けた国際協働推進事業」(インド、インドネシア、タイ、台湾、フィリピン、ベトナム、カザフスタン、ガーナ)
カシオ計算機株式会社「インドネシアでの関数電卓を使った探究型教育の普及・定着支援事業」
同「関数電卓を用いたエジプトでの探究型数学教育事業」
株式会社KJ(河合塾)ホールディングス「東南アジア圏における幼稚園~高校等の学校、学習塾・予備校の経営、模擬試験事業を含む教育関連事業の展開」(ベトナム)
株式会社 Classroom Adventure「アジア地域におけるゲーミフィケーションを活用した情報リテラシーの向上」(台湾、タイ、インドネシア)
Sunny Animal Hospital「カンボジアにおける小動物臨床医療の発展を目的とした獣医師人材育成支援事業」
株式会社すららネット「算数・数学のデジタル学習と国際コンテスト開催を通じた非認知能力育成の成果検証」(インドネシア、スリランカ、エジプト、カンボジア)
大日本図書株式会社「カンボジアにおける質の高い算数デジタル教科書の普及促進」
株式会社タオ「ICT知育教材を用いた日本式幼児教育の海外展開」(オーストラリア)
Pestalozzi Technology株式会社「初等中等教育における体力テストwebアプリの導入及び疾病予防の実現に向けた分析」(フィリピン)
ヤマハ株式会社「フィリピン共和国初等教育への日本型音楽教育導入事業」
一般社団法人namstrops「正解のない課題に創造的に向き合う『SOUSAKU-DANCE CAMP』を通じた日本型教育『創作ダンス』のローカライズ」(韓国・中国・ルーマニア・リトアニア・エストニア)

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