4か国高校生比較調査 日本は科学への関心は高いも、学びを深める意欲は低

独立行政法人国立青少年教育振興機構は7月3日、日米中韓で行った「高校生の科学への意識と学習に関する調査」の結果を発表した。国際比較により、わが国の高校生の特徴や課題が浮き彫りになった。

調査は昨年9月から、中国では11月、米韓では12月、日本では今年1月にかけて、それぞれの国の高校生を対象に実施。日本では4,955名、米国では1,857名、中国では7,747名、韓国では1,558名から回答を得た。

理科の学習は面白いか尋ねたところ、「とてもそう思う」、「まあそう思う」は、日本では72.8%。中国(80.7%)に次いで高い結果となった。米国(68.5%)、韓国(48.9%)と続いた。

科学技術についてのニュースに興味や関心があるか尋ねたところ、 「とてもある」、「まあある」は日本では57.4%。やはり中国(74.4%)に次いで高い結果となった。米国(50.3%)、韓国(50.1%)と続いた。

一方、学校で勉強する内容よりも多くの科学知識を学びたいか尋ねたところ、「とてもそう思う」、「まあそう思う」は、日本では42.1%。4か国中最低となった(米国47.7%、中国56.8%、韓国47.4%)。

大学で専攻したい分野についても、「理学系(数学、物理学、化学、生物学、地学など)」との回答は日本では19.2%で、最下位となった(中国39.7%、韓国26.6%、米国22.5%)。

生成AIを利用して文章や音楽、絵画を作ったり、学校の宿題を行ったりするか尋ねたところ、「よくする」、「時々する」は、日本ではいずれも2割弱で、4か国中最低。プログラミングについても、「よくする」、「時々する」は14.0%にとどまり、最下位となった。

日本の高校生は、科学への興味はあるが学びを深める意欲が低いこと、またデジタル技術の実践・活用に遅れが見られることが判明した。

調査結果の詳細は以下から確認できる。
https://www.niye.go.jp/wp-content/uploads/2025/07/kagaku_gaiyou.pdf

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