大学ごとの産学連携実施状況をまとめた「大学ファクトブック2024」発表

文部科学省は3月29日、各大学の産業界との連携実績をまとめた「大学ファクトブック」の最新版を、経済産業省および一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)とともに発表した。

「大学ファクトブック」は、文科省が毎年実施している調査「大学等における産学連携等実施状況について」(以下、産連調査)の結果をまとめたもので、2018年から発行。

文科省と経産省は、産学官連携の普及に力を入れており、2016年には「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」を策定、2020年には大学と産業界、それぞれにおける課題とそれへの処方箋をまとめた「ガイドライン追補版」を発表している。「大学ファクトブック」の刊行も、その取り組みの一環。

産連調査の性質上、情報は実質2年前のものとなるが、ファクトブックを通じ、企業は各大学の強みや特徴、産学連携体制の整備状況を比較し、投資を行う際の参考とすることができ、また大学は、自他の取組みを比較し、改善の余地を見出すことができる。

今回発表された「大学ファクトブック2024――『組織』対『組織』の本格的産学官連携の拡大に向けて」は、「はじめに、ランキング」と、2種類のデータベース(「大学個別シート検索(国立・公立・私立大学)」・「大学検索」)から構成。

前者はその名の通り、共同研究受入額などの項目別の大学ランキング。上位30件が示されている。なお民間企業からの研究資金等受け入れ額の総額では、1位は東京大学、2位は大阪大学、3位は京都大学。民間企業との共同研究実施件数では、1位は東京大学、2位は東北大学、3位は大阪大学だった。

一方、「大学個別シート検索」では、調査対象の全大学(ただし非掲載希望大学を除く)について、Excel形式の回答結果を検索・取得することができる。また「大学検索」では、インキュベーション施設の有無など各大学の産学連携実施状況を把握し、共同研究先を探すことができる。

ファクトブックは以下から見ることができる。

https://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/daigaku_factbook.html

 

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