ソニー流・ボトムアップの「全社員AI人材」育成の仕組みとカルチャー

半導体やエレクトロニクスに加え、エンタテインメントや金融まで幅広い事業領域をもつソニーグループ。同社では約10年前から組織横断・ボトムアップでAI・データサイエンス人材育成を進めてきた。進歩の早い技術を社員が組織横断で学び合う仕組みの構築について聞いた。

国内社員約4万人をAI人材に
背景にある組織横断の学び

芦ヶ原 隆之

芦ヶ原 隆之

ソニーグループ株式会社 R&Dセンター
基盤技術研究開発フィールド 上級主幹技師
1990年にソニー株式会社(現 ソニーグループ株式会社)入社。1994〜1996年カーネギーメロン大学ロボット工学研究所訪問研究員。主にR&D組織にて、コンピュータビジョンにかかわる研究開発に従事。FA、映像制作、ロボット、ゲーム、AR、医用画像、車載、スマートフォン、デジタルカメラ等、広範囲にわたる応用を手掛ける。2013年よりR&Dの関連技術開発部隊の統括として技術開発をけん引。現在、ソニーグループ株式会社R&Dセンターにて情報処理領域、特に、画像認識、機械学習、ロボティクスの技術カテゴリを担当。ソニーグループ内で約50名が任命されているCorporate Distinguished Engineerのひとりで、情報処理戦略コミッティの代表、基幹技術研修のAI関連技術講座の企画委員長を務め、ソニーグループ全体の技術と人材の強化活動を行っている。

半導体やエレクトロニクスなど日本のものづくりを牽引しながらエンタテインメントや金融にも事業をもつソニーグループ。昨年、国内の社員約4万人を対象にAI(人工知能)に関する研修を行うと報道されたことも記憶に新しい。

電子機器やエレクトロニクス領域以外でも、AIを始めとするデジタル技術の知識やスキルがビジネスに必須であることを感じさせる同社の取り組みだが、こうした人材育成はここ最近に始まったことではない。

(※全文:2968文字 画像:あり)

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