文科省、令和7年度「未来を先導する世界トップレベル大学院教育拠点創出事業」に新潟大学など6大学選定

文部科学省は2025年9月16日、令和7年度「未来を先導する世界トップレベル大学院教育拠点創出事業(FLAGs)」の選定結果を公表した。全国の国公私立大学から28件の申請があり、審査の結果、新潟大学、金沢大学、名古屋大学、広島大学、電気通信大学、一橋大学の6大学の事業が採択された。

博士人材育成拠点の形成目指す

本事業は、「徹底した国際拠点形成(国際化)」と「徹底した産学連携教育」の実施を通じて、豊かな学識と国際性、高度な実践性を身に付けた博士人材を育成する機能を高めるとともに、組織内の資源配分の見直し等を通じて、質の高い博士人材の増加を図る大学院教育拠点の形成を支援することを目的とする。

文部科学省の公式ホームページより

事業は「総合型」と「特色型」の2つの区分で実施される。「総合型」は研究科等を越えて変革を目指す総合大学における全学的な取組を対象とし、年間3.7億円の支援を受ける。一方、「特色型」は一定程度の規模の博士課程を備える大学で強みや特色の伸長を目指す全学的な取組を対象とし、年間1.7億円の支援を受ける。

事業実施期間は令和7年から令和13年までの7年間で、大学ファンドによる支援を受けていない大学を対象としている。

28件の申請から6件採択

公募は令和7年4月1日から5月23日まで行われ、国公私立大学から合計28件の申請があった。内訳は、国立大学から20件(総合型15件、特色型5件)、公立大学から3件(総合型2件、特色型1件)、私立大学から5件(総合型1件、特色型4件)であった。

独立行政法人日本学術振興会に設置された「未来を先導する世界トップレベル大学院教育拠点創出事業委員会」による審査を経て、6件の事業が選定された。採択されたのは全て国立大学で、「総合型」として4件、「特色型」として2件が選ばれている。

採択された事業のうち「総合型」では、新潟大学の「グローバル社会を牽引する博士イノベーター育成大学院拠点」、金沢大学の「多面的な連携が生み出す『知』の共創と往還による新価値創造人材の育成・輩出拠点」(連携大学:北陸先端科学技術大学院大学)、名古屋大学の「名大ビジョンR16:社会に羽ばたく高度博士人材の育成」、そして広島大学の「『持続可能な発展を導く科学』を実践する世界的大学院教育拠点形成」の4事業が選ばれた。

また、「特色型」では、電気通信大学の「日本版Industrial PhDによる未来共創リーダー育成拠点」(連携大学:東京海洋大学、北陸先端科学技術大学院大学)と、一橋大学の「Transformation for Social Innovation」の2事業が採択されている。