経営者の決意と行動がカギ 協創で生み出す『日本発DX』

あらゆる分野でデジタル化が急速に進んでいる中、経団連は2020年5月、提言『Digital Transformation(DX)~価値の協創で未来をひらく~』を公表した。作成の中心となった、DXタクスフォース座長の浦川伸一氏に『日本発DX』とそれを実現する人材育成の在り方について聞く。

DX への考え方を統一し、産業界、経済界として一枚岩に

──提言を公表された背景についてお聞かせください。

浦川 伸一

浦川 伸一

一般社団法人 日本経済団体連合会
DXタクスフォース座長
損害保険ジャパン株式会社 取締役専務執行役員
SOMPOシステムズ株式会社 代表取締役社長
日本アイ・ビー・エムにて金融機関の大型プロジェクトのプロジェクトマネージャーを経て、2013年より損害保険ジャパンへ。現在基幹システム刷新プロジェクトの責任者を務める傍ら、経団連 デジタルエコノミー推進委員会 企画部会長、内閣府 人間中心の AI 社会原則検討会議構成員、SIC 理事、NEDO 技術委員、PM 学会監事、CSAJ 理事などを担当。

デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉が広まっていますが、その原点は、ごく一部の企業が既存の産業構造、ビジネスモデルを切り崩し、顧客視点の新たなビジネスモデルを創設したことに始まります。生活者目線を徹底してきた結果、世の中は大きく変わり、「デジタル変革」という形で、新たなビジネスモデルが定着してきました。

本提言を作成するにあたり、強く思ったのは、その原点に立ち返ることです。DX の考え方には相当バラつきがあると思いますので、1つの提言にまとめることで、産業界、経済界として一枚岩になりたいというのが、大きな背景です。

今回の提言で『日本流』ではなく『日本発』としたのには…

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