コロナ禍が教育格差と非認知能力にもたらす影響を調査 日本財団

日本財団は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングと共同で、コロナ禍における臨時休校や学校での教育活動の制限が子どもの教育格差や非認知能力にもたらす影響について、アンケート調査を実施し、6月29日にその結果を公表した。小学生から高校生までの子どもを持つ親4,000人を対象に、2020年4月に発出された緊急事態宣言中とその前後の学習状況等の変化についてたずね、世帯年収別に影響の大小を比較した。 

臨時休校期間中に学校外の勉強時間を増やし、学校再開後も継続的に学校外の勉強を行っている家庭の割合は、高所得世帯(年収800万円以上の世帯)において高いことが分かった。

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また、勉強時間以外の生活時間について、臨時休校期間中はスクリーンタイム(テレビやゲーム、インターネット等の使用時間)が増加しているが、その傾向は、成績の低い子どもやひとり親世帯でより強いことが明らかになった。このような結果から、コロナ禍以前より生じていた教育格差は、コロナ禍において拡大傾向にあることが示唆されている。

また、臨時休校期間別に2020年1月から5月にかけての非認知能力・生活習慣等の低下 との関係をみると、休校期間が2ヶ月以上と長い場合、「友達と遊ぶ頻度」が低下した子どもは40%程度、「学校での生活や活動の充実」が低下した子どもは30%程度だった。「規則正しい起床・就寝」、「精神的な安定」、「勉強に対する集中」についても、臨時休校が長期に及んだ場合に顕著に低下している。

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本誌8月号(7月1日発売)では、「非認知能力の育み方と評価法」を特集している。心理的安全な環境づくりや、「やり抜く力」などの育成法とアセスメントを追究する。