岩手県教育長 学校・家庭・地域が協働し、子どもの「生きる力」を育む

岩手県では半世紀以上にわたり、学校、家庭、住民等が総ぐるみで教育に取り組む「教育振興運動」が続けられている。その基盤のうえに、現在も地域学校協働活動や復興教育など、様々な取組が進む。県の教育行政の取組と展望について、佐藤一男教育長に話を聞いた。

地域ぐるみで子どもたちを育む
「教育振興運動」が基盤に

佐藤 一男

佐藤 一男

岩手県教育委員会 教育長
1964年生まれ。1987年、新潟大学を卒業し、岩手県庁に入庁。総務部人事課総括課長、商工労働観光部副部長、岩手県教育委員会事務局教育次長、教育局長を経て、2023年4月に岩手県教育委員会教育長に就任。

──岩手県は長年にわたり、学校・家庭・地域が協働した教育に取り組まれています。

本県には、これまで半世紀以上にわたり「子ども」「家庭」「学校」「地域」「行政」の5者が一体となって、子どもの健全育成や家庭、地域の教育力向上を図る「教育振興運動」に取り組んできた歴史があり、これが教育活動の基盤となっています。学区や公民館区を一つの実践区として、多くの大人が関わり子どもたちを育んでいます。

1965年に教育振興運動が始まった当初は、学力向上を目標に掲げ、家庭で勉強をする環境の整備や読書活動の推進などに取り組んできましたが、時代の変化とともに青少年の健全育成や健康安全などにも取組を拡充してきました。90年代になると、…

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