ダイバーシティを「自分ごと」に 企業向けの体験型研修プログラムを展開

「異彩を、放て。」をミッションに、福祉を起点に新たな文化の創出を目指すヘラルボニーは2023年11月、組織のDE&Iを促進する体験型プログラムの提供を開始した。開発を担った同社ウェルフェアチームの菊永ふみ氏と神紀子氏に、開発の背景やプログラムの特徴、今後のビジョンを聞いた。

体験型ワークショップを通じ
DE&Iを知る・感じる・表わす

菊永 ふみ

菊永 ふみ

株式会社へラルボニー 経営企画室ウェルフェアチーム
ろう者。東京学芸大学特別支援教育専攻科を修了後、児童指導員として10年間勤務の傍ら、一般社団法人異言語Lab.を立ち上げ、代表理事を務める。異言語脱出ゲーム開発者。コンテンツクリエイター。謎制作とコンテンツ提供を主に、ろう者・難聴者が主体的に取り組めるチームづくりを意識している。これまでの異言語Lab.での経験を踏まえ、さらに障害のイメージを変えたいという想いを胸にヘラルボニーへ入社。ヘラルボニーが2023年6月に新設した、障害者雇用など、障害のある人の新しいインフラを構築するための新規事業を展開するウェルフェアチームの立ち上げメンバー。

神 紀子

神 紀子

株式会社へラルボニー 経営企画室ウェルフェアチーム
新卒で株式会社リクルートに入社し、営業や新規事業推進を経験。30歳の時にフィリピン留学・世界一周を経て、世の中の理不尽や自身のアンコンシャスバイアスに直面したことから、社会課題解決の世界に身を投じることを決意。帰国後、株式会社グロービスに入社、同時にグロービス経営大学院にてMBAを取得。2023年6月、ヘラルボニーのミッションに共感し、ウェルフェアチームの立ち上げと共に入社。新設されたウェルフェアチームにて、新規事業開発を担当。

「福祉実験カンパニー」を標榜するヘラルボニーは、2018年の設立以来、国内外の主に知的障害のある作家とライセンス契約を結び、アートをプロダクト化するライフスタイルブランド「HERALBONY」の運営をはじめ、さまざまな形で異彩を社会に送り届け、福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開してきた。そうした実績を踏まえて2023年、創業6期目にあたる年に新たに研修プログラム事業に乗り出した。

満を持して11月27日、法人向けにダイバーシティへの考え方を養い、組織のDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を促進する体験型プログラム「DIVERSESSION PROGRAM(ダイバーセッション・プログラム)」の提供を開始した。DE&I推進が求められるいま、「知識」だけでなく、体感した「考え方」により多様性が根づき、一人ひとりが活きる環境づくりへの伴走を目指す。

プログラムは、「知る」「感じる」「表わす」というオリジナルの3つのセッションで構成される。最初のセッション1は、DE&Iを自分ごととし、プログラム全体の目的とゴールを明確にするためのオリエンテーションだ。参加者はここで自分の所属組織におけるDE&Iの現在地を確認し、その必要性を理解する。ここが共有できたところで、セッション2ではプログラムの肝となる体験型ワークショップに進む。「マイノリティ」であることを擬似的に体験しながら、…

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