専門家監修で「撮られる」安心すべての子どもに  出張撮影のラブグラフ、発達特性に配慮したフォトグラファー認定制度開始

出張撮影サービス「Lovegraph」を運営する株式会社ラブグラフは2025年9月16日、新たに「発達凸凹フレンドリー認定」制度を開始したことを発表した。一般社団法人まなびぱれっとの監修のもと、発達に特性のある子どもを持つ家庭が安心して撮影を依頼できる体制を強化する。認定を受けたカメラマンは現在200人を突破しており、インクルーシブな写真撮影の機会を全国に広げていく方針だ。

誰も撮影を諦めない社会へ 当事者の声から生まれた新制度

新しい場所や慣れない環境が苦手、じっとしていることが難しいといった発達特性を持つ子どもを持つ家庭では、「撮影中にパニックになったらどうしよう」という不安から、プロカメラマンによる記念撮影をためらったり、諦めてしまったりするケースが少なくない。 こうした課題に対し、同社は「1組でも多くのご家庭で幸せな瞬間を未来に残せるよう」との思いから、本認定制度を開始。発達凸凹への深い理解を持つカメラマンを育成し、利用者が安心して撮影を依頼できる環境を整備する。

専門家監修の研修と認定バッジで「安心」を可視化

本制度の開始にあたり、同社は特別支援教育を専門とする小泉志信氏が代表を務める「一般社団法人まなびぱれっと」の監修を受け、独自の研修教材を開発した。 所属するフォトグラファーは、この教材を用いた研修で発達特性に関する知識や具体的なコミュニケーション方法、撮影時の配慮などを学ぶ。研修後の認定テストに合格したカメラマンには「発達凸凹フレンドリーバッジ」が付与され、利用者はこのバッジを目印に、専門的な知見を持つカメラマンを指名することができる。

株式会社ラブグラフのプレスリリースより

監修した小泉氏は、「発達に凸凹があるお子さまが安心・安全な環境の中で自己を表現し、記念すべき一枚を撮れることは非常に重要。写真という形で残るものがあることで、将来見返したときのお子さんへの愛の伝わり方が変わると信じている」とコメントし、写真が子どもの成長や自己肯定感に与える教育的意義を強調した。

利用家族からも感謝の声

実際に本認定を受けたカメラマンによる撮影を体験した家族からは、喜びの声が届いている。知的障害を伴う自閉スペクトラル症の5歳の息子の七五三撮影を依頼した保護者は、「スタジオ撮影は難しいと悩んでいたが、撮影前から細やかな配慮をいただき、当日はいつも通りの息子の笑顔を引き出してくださった。途中でぐずっても、気持ちを受け止め寄り添ってくれる姿に安心できた」と語る。 ラブグラフは、今後も認定カメラマンの育成を推進し、プロによる写真撮影に不安を抱える全国の家庭にサービスを届けていくとしている。この取り組みは、多様な子どもたちが尊重され、輝ける機会を創出する一歩として、教育分野からも注目されるだろう。