ベンチャー型事業承継のためには「対話型の組織開発」が不可欠

ベンチャー型事業承継のためには、後継者の個人的な資質・能力に焦点を当てるだけでなく、「組織」への視点が不可欠――。ファミリービジネスを変革するための方法論や、アトツギベンチャーの成長要件ついて、立命館アジア太平洋大学・牧野恵美准教授に話を聞いた。

先代経営者や社員等を交えた
「対話型の組織開発」が重要に

牧野 恵美

牧野 恵美

立命館アジア太平洋大学 国際経営学部 准教授
上智大学(BA)、Columbia大学大学院ジャーナリズムスクール(MS)。日本経済新聞や日経E-Bizで米国の起業家を数多く取材。同時通訳者に転身後、Claremont大学院大学でMBAとPh.D.取得。九州大学、東京理科大学で起業家教育を担当。広島大学 産学連携推進部スタートアップ推進部門 准教授を経て、2023年4月より現職。

── 牧野先生は、ベンチャー型事業承継について研究されています。ベンチャー型事業承継の課題や成功条件について、どのように見ていますか。

ベンチャー型事業承継とは、後継ぎ経営者がベンチャー的な手法で自社のV字転換を図る事業承継のことです。長年、継続しているファミリービジネスは様々なレガシー(遺産)を抱えていますから、何もないところから創業するスタートアップとは課題も成功条件も異なります。そのため、スタートアップ育成で効果のある方法論が通用するとは限りません。

(※全文:2073文字 画像:あり)

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