親族外承継における後継者の能力形成プロセス、支援機関の「3つの役割」

事業承継について、本人の子供・兄弟など「親族内」での承継だけでなく、内部昇格による従業員承継やM&Aによる事業引き継ぎなど、「親族外」への承継も注目されている。中小企業の親族外承継や支援機関の役割について研究する、立命館大学・久保田典男教授に話を聞いた。

親族外承継における
後継者の能力形成プロセス

久保田 典男

久保田 典男

立命館大学 経営学部 教授
1973年生まれ。2006年、東京都立大学大学院 社会科学研究科修了(経営学修士)。2012年、横浜国立大学大学院 環境情報学府博士課程後期 単位取得満期退学。1996年~2011年、中小企業金融公庫(現・日本政策金融公庫)勤務。2018年4月~2023年3月、島根県立大学総合政策学部教授。2019年度、島根県事業承継実態調査アドバイザーなどを務める。2023年4月より立命館大学経営学部教授。

── 親族外承継における後継者の能力形成プロセスの特徴は、どういった点にありますか。

私は親族外承継について、内部昇格による従業員承継、M&Aによる親族外への事業引き継ぎという2つのケースを主に研究しています。親族外承継の後継者は、事業を承継する「正統性」をいかに獲得するかが問われますが、その獲得プロセスは従業員承継とM&Aで異なります。

(※全文:2365文字 画像:あり)

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