文部科学省 「図書館が拓く未来の学びと地域社会(報告書)」公表
文部科学省は3月17日、「図書館が拓く未来の学びと地域社会(報告書)」をとりまとめ、その内容を公表した。
近年、多くの社会教育施設が減少傾向にある中で、図書館の設置は増加傾向を維持し、2024年度時点で3,400施設ある。図書館の設置率は市(特別区含む)は100%に近いものの、町・村は低い傾向にあり、身近に図書館サービスを受けられない地域が未だ多い。
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図書館の利用状況に関して、2023年度間の1施設当たりの利用者数は49,376人であり、社会教育施設の中では博物館に次いで多い。同年度間の国民一人当たりの貸出冊数は4.8冊で、前回調査(2020年度間)と比較すると増加しているものの、コロナ禍以前の水準には達していない。
学校図書館に関しては「学校図書館図書標準」(2019年度末時点で)を達成した公立小中学校等の割合は小学校で71.2%、中学校で61.1%、特別支援学校の小学部で15.5%、中学部で3.6%という調査結果で、上昇傾向にあるものの、策定から30年以上が経過してなお全校の標準達成が遠い状況にある。
報告書では、地域の「ハブ」、学校の「中心」を担う図書館を目指して、「図書館」では、「読む」「集う」「学ぶ」の機能を総合的に展開して「地域共創」に寄与するため、利用者・住民の自主的・自発的な学習活動への支援、メディア情報リテラシーやサードプレイスとしての取組も展開、立ち寄りやすさや居心地の良さも備えつつ、地域に寄与などを求めている。
「学校図書館」に対しては、「学びの深化を担い、一人一人の「好き」を育み「得意」を伸ばす居心地の良い学校の「中心」へ」を掲げ、あらゆる教科等での計画的利用や個別最適な学びのための機能強化、登校時から下校時までの常時開館、読書や自習での自由利用の推進、館内や隣接エリアへの個別学習ブースやラーニングコモンズ、「校内教育支援センター」の設置などを求めている。
この他、報告書では、「全ての人に開かれた図書館サービスの構築に向けた方策」「図書館・学校図書館に係る制度・基準の見直し」などについて言及している。
文部科学省では、図書館・学校図書館の現状や課題を把握・分析し、運営の充実に向けた検討を行うため、「図書館・学校図書館の運営の充実に関する有識者会議」を設置し、2024年12月より10回にわたり議論を進めてきた。
同省では、本報告書の内容を踏まえ、「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」(平成24年12月19日文部科学省告示第172号)や「学校図書館ガイドライン」(平成28年11月29日付け文部科学省初等中等教育局長通知)の改定をはじめ、図書館・学校図書館の充実に向けた取組を進めていくとしている。
詳細は下記から確認できる。
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01613.html