社会人のリスキリング約2割が「誰にも話さず」実践 行知学園調査

日本語学校などを運営する行知学園が8月21日に発表した調査によると、リスキリングに取り組む会社員の約2割が、そのことを職場や家族に話さず「隠れリスキリング」を実践していることがわかった。背景には「自分のペースで学べる」といった、他者からのプレッシャーを避けて学習効果を高めたいという社会人の心理があるようだ。

この調査は、リスキリングに取り組む会社員1,003人を対象に実施されたもの。リスキリングの目的としては「現職の仕事にすぐ活かせる内容だから」が最多となり、多くの社会人が実利的な動機で学んでいることが示された。学習によって「仕事の視野が広がった」「モチベーションが上がった」といった内面的な変化を実感する声も多かった。

今回の調査で特徴的だったのは、リスキリングについて「誰にも話していない」と回答した人が約2割存在した点だ。その理由として最も多かったのは「特に話す必要がないと感じる」で、リスキリングが他者からの評価のためではなく、個人の自律的な活動として捉えられていることがうかがえる。

周囲に話さないことで得られる利点としては、「自分のペースで学べる」が圧倒的多数を占めた。これは、他人と比較せず、自分の基準で着実に成長したいという学習者のニーズを反映している。

また、リスキリング後のキャリアについては、約6割が転職やキャリアチェンジを視野に「すでに行動している」または「予定している」と回答しており、個人の学びが着実にキャリア形成へと繋がっている実態も明らかになった。