空港業務の未来を拓くヒューマノイドロボット活用、JALグループらが実証実験開始
日本航空株式会社、株式会社JALグランドサービス(以下、JGS)、GMO AI&ロボティクス商事株式会社(以下、GMO AIR)の3社は、2026年5月より羽田空港においてヒューマノイドロボット活用の実証実験を開始する。空港のグランドハンドリング業務に人型ロボットを導入する試みは国内で初めて(2026年4月26日時点、3社調べ)となる。
グランドハンドリングは、航空機の牽引や手荷物・貨物の搭降載など多岐にわたる。これらの業務は航空機周辺の限られたスペースで多種多様な特殊車両(GSE)を扱うため、従来は人間の手作業を前提とした環境で行われてきた。既存の固定式自動化設備や単一機能のロボットでは複雑な作業動線への柔軟な対応が困難という課題があった。
本プロジェクトが着目したヒューマノイドロボットは、人間と同等の可動域と適応力を持つ。人型である利点を活かし、現行の空港施設や機体構造を大幅に改修することなく導入できる点が特徴といえる。将来的には手荷物の積み込みから機内清掃、さらにはGSEの操作まで、多岐にわたる業務への汎用的な活用が期待されている。
背景には、インバウンドの増加などによる需要拡大に対し、生産年齢人口の減少に伴う深刻な人財不足がある。グランドハンドリング業務は安全確保のために高度なスキルが求められると同時に、身体的な負荷が大きい側面もあり、省人化と作業負荷軽減が共通の課題となっている。
実証実験は2026年5月から2028年までを予定している。初期段階では空港現場における業務の可視化・分析を行い、ヒューマノイドロボットが安全に作業できる領域を特定する。その後、実際の空港環境を想定した動作検証を段階的に進める計画である。
各社の役割として、JGSは1951年の創立以来培ってきたグランドハンドリングの経験と技術を活かし、空港現場の知見提供、業務要件の定義、安全基準への適合性評価などを担う。GMO AIRはヒューマノイドロボットの提供および動作プログラムの開発・最適化を担当する。同社は2026年4月7日にオープンしたフィジカルAI研究開発拠点「GMOヒューマノイド・ラボ 渋谷ショーケース」の知見も活用し、空港業務に適したロボットソリューションの構築を目指す。
GMOインターネットグループは2026年を「ヒューマノイド元年」と位置づけている。今回の取り組みを通じて、航空業界の持続的な発展と、人とロボットが共存する社会の実現を推進していく方針を掲げている。