「検査」は意外に「間違える」!? 検査結果をどう読みとけばよいのか

新型コロナウイルス感染症でいっそう身近な存在となった「検査」。陽性か陰性かで一喜一憂しがちだが、これはどのような仕組みに基づいて決まるのだろうか?今回は「検査の結果の読み解き方」について、がん検診を題材に解説する。

PCR検査や抗原検査、さらには抗体検査など…。新型コロナをきっかけに、色々な検査が話題になりましたね。そういえば、がん検診や健康診断など、私たちの暮らしの周りにはいろいろな「検査」がありますが、その結果ってどのくらい信頼できるのでしょうか?

迅速検査で「陰性」だけど…?

市川 衛

市川 衛

2000年、東京大学医学部健康科学・看護学科卒業後、NHK入局。
医療・健康分野を中心に国際的に取材活動を展開。2016年スタンフォード大学客員研究員を経て、2017年一般社団法人メディカルジャーナリズム勉強会を設立し代表に就任。2021年にNHKを退職後は、READYFOR株式会社 基金開発・公共政策部門の責任者として社会課題の解決のため活動する団体の支援事業を行う。2020年より広島大学医学部客員准教授(公衆衛生)に就任。東京大学、産業医科大学などで医師や医学生を主な対象に教育活動を行っている。

ひとつ、身近な例で確かめてみましょう。医療の検査の一つに「インフルエンザ迅速検査」があります。熱があったりして医療機関に行くと、「検査しますか?」と言われ、鼻を長めの棒でグリグリされるやつですね。新型コロナの陰でインフルエンザは減っていますが、2019~2020年の冬までは、誰もが1年に一回は受けるのでは? というほど身近な検査でした。

では、質問です。インフルエンザの流行シーズン、あなたは38℃以上の発熱やせきなどの症状があり、医療機関を受診しました。迅速検査を受けると、結果は「陰性」でした。インフルエンザでは「ない」とされたわけです。そんなとき、実はあなたはインフルエンザである。つまり結果が「間違っている」可能性は何%くらいあるでしょうか?…

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