「○○茶を飲んだら血糖値が下がった」は本当か 〜『平均への回帰』のワナ
テレビの健康番組や、健康食品の宣伝などで「高い血糖に悩む被験者に○○を1週間試してもらったところ、血糖値が大幅ダウン!」といったような内容が報じられることがある。こうした情報を見極める際に重要な「平均への回帰」の考え方を紹介する。
市川 衛
テレビの健康番組などで、こんな内容を目にしたことがありませんか?
「○○茶は、本当に血糖値対策に意味があるのかを番組では検証しました。100人の方の血糖値を調べ、特に数値が高い30人を選抜。毎日の生活は全く変えずに、朝に1回だけ○○茶を飲んでいただきました。1週間後、血糖値を調べてみるとビックリ! なんと血糖値の平均が、10も下がっていたんです!」
この結果を見ると、○○茶に血糖値を抑える効果があることは明らかに思えます。血糖値にお悩みを抱える人であれば、「明日はスーパーに行って、○○茶を買ってこなきゃ!」と思われるかもしれません。でも実はこの論理展開には、大きな落とし穴というか、ワナがあります。この「1週間後の血糖値の降下」は、○○茶を飲むか飲まないかに関わらず、…
(※全文:2241文字 画像:あり)
全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。