「空港型地方創生」で南紀白浜を活性化 知の移転による人づくり
和歌山県南部の白浜町にある南紀白浜空港が民営化されて5年目を迎えた。運営を担う南紀白浜エアポートは「空港型地方創生」をコンセプトに掲げ、経営改革の傍ら、精力的に地域活性化に取り組んできた。同社代表取締役社長の岡田信一郎氏に、地域づくりと人づくりにかける思いを聞いた。
都市部からの「知の移転」で
航空需要回復と地域活性を目指す
岡田 信一郎
南紀白浜空港が位置する和歌山県西牟婁郡白浜町は、世界遺産である熊野古道やアドベンチャーワールドにほど近く、温泉や自然豊富な観光スポットに恵まれた地域だ。しかしながら、民営化前は、白浜の首都圏での認知度は高くなく、利用客は低迷。また、ビーチリゾートとしての地域PRが中心であったため、南紀白浜空港を訪れるのは大半が観光客で、その利用は週末や夏のバカンスシーズンに偏りがちであった。
そうした環境にあるなか、「地方空港の経営再建には地域活性化が欠かせない」と岡田氏は言う。ハンズオン(常駐協業)型の経営コンサルティングを行う株式会社経営共創基盤の共同経営者も務める岡田氏は、かつて関西国際空港の再建と民営化に携わった経験から、そう確信している。「関空のような大規模な空港なら、無駄なコスト削減や営業のテコ入れなど、再生に向けて空港事業単体で取り組めることがいくらでもありますが、…
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