社会構想大、「実務家教員COEプロジェクト」最終成果報告シンポを開催

社会構想大学院大学は2月21日、2019年より運営し2023年に最終年度を迎えた「実務家教員COEプロジェクト」の最終成果報告として、シンポジウム「実務家教員とリカレント・リスキリング」を開催した。

「実務家教員COEプロジェクト」は、文部科学省「持続的な産学共同人材育成システム構築事業」の採択事業。日本女子大学、武蔵野大学、事業構想大学院大学と連携し、さまざまな取組みを通じて、学術界と産業界の架け橋たる実務家教員の教育指導力、研究能力、実務能力をトータルに開発してきた。具体的には、実務家教員としての基礎的な素養を身に付けるための「実務家教員養成課程」と、同過程修了後も継続的に能力開発を行うための「実務科教員FDプログラム」を開発・運営するとともに、実務家教員の研究発表の場である「日本実務教育学会」を開催してきた。

シンポジウムでは、その5年間の成果と今後の展望について、プロジェクトの運営側と、プロジェクトが輩出した実務家教員の双方が報告した。

文科省の事業担当者の保坂孝氏による挨拶ののち、プロジェクトの責任者を務めた社会構想大学院大学実務教育研究科長の川山竜二氏が「実務家教員の展望と課題」と題して講演を行い、社会の知を大学に取り組んでいく存在としての実務家教員の重要性を説くとともに、そのような機能が十分に発揮されるために、実務家教員の定義を明確化する必要があると語った。

次いで、高等教育論を専門とする大正大学専任講師の日下田岳史氏が「実務家教員養成課程修了生の姿――入口・経験・出口」と題して、同課程第1~10期修了生を対象に行ったアンケート調査の結果と、そこから導き出された考察について報告した。

最後に、社会構想大学院大学准教授の富井久義をモデレーターに「実務家教員とリカレント・リスキリング」と題してパネルディスカッションが行われた。武蔵野大学法学研究所長の池田眞朗氏、日本女子大学リカレント教育課程担当講師の冨山佳代氏、さらに実務家教員養成課程修了生で、現在実務家教員として活躍する尾﨑眞二と志塚昌紀の両氏が登壇し、社会と大学を往還することの意義や重要性について、実体験も交えつつ議論した。

詳細は『月刊先端教育』5月号(4月1日発売予定)にてレポートする。

 

パネルディスカッションの様子。左から、富井氏、尾﨑氏、志塚氏、池田氏、冨山氏、川山氏