KIIが大学VC初のインパクトファンドを設立

慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)は10月31日、3つ目となるベンチャーキャピタルファンド「KII3号インパクト投資事業有限責任組合」(KII3号インパクトファンド)の新設を発表した。

KIIは、2015年12月に慶應義塾大学オフィシャルベンチャーキャピタルとして設立。2016年7月には約45億円の1号ファンドを設立し、慶應義塾大学の研究成果を中心に、デジタルテクノロジーによる社会の革新や、医療・健康などの課題解決に取り組む投資活動を行ってきた。2020年1月に設立した2号ファンドからは、「その研究が、その発明が、そのイノベーションが、社会を変えるまで。」をミッションに、すべてのアカデミア発のディープテックを投資対象とし、研究の社会実装と社会課題の解決を支援してきた。

今回設立したKII3号インパクトファンドは、グローバルスタンダードに準拠して、インパクト測定及びマネジメント(IMM)に誠実に取り組み、投資先と投資検討から実行の各段階で、セオリーオブチェンジ(ToC)やロジックモデル、インパクトの5つの基本要素、インパクトKPIの設定を投資先スタートアップと共に策定する。

KII3号インパクトファンドは、機関投資家の株式会社かんぽ生命保険(かんぽ生命)と、政府系金融機関の株式会社産業革新投資機構(JIC)からの出資を中心に、2024年10月をめどに200億円でファイナルクローズを目指すとしている。

関連して、2023年10月より、慶應義塾大学との連携体制をさらに強化し、新しいインキュベーションプログラム「Keio Startup Incubation Program(KSIP)」を慶應義塾大学イノベーション推進本部スタートアップ部門と、KIIの協業によって開始する。

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山岸 広太郎(慶應イノベーション・イニシアティブ 代表取締役社長)

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画像はKIIのプレスリリースから。