『既に起きている未来』の課題を 横断的知識で解決する才能を育む

企業内大学を設ける企業は多いが、企業内「大学院」を設ける企業はあまり聞かない。2017年にDMG森精機が設立した先端技術研究センターは企業内大学院と位置付けている。その意味と狙いについて、同センター所長の松島克守氏に伺った。

既に起きている未来で、先端技術を担う人材を育てる

松島克守

松島克守

DMG 森精機株式会社理事、先端技術研究センター センター長
東京大学名誉教授。工学博士。東京大学工学部卒。IHI航空機エンジンの生産技術を経て、東京大学で生産システムの知識化を研究、日本IBMでマーケティング戦略責任者、イノベーション政策センター長などを歴任し、2017年1月の先端技術研究センター開設に伴いセンター長となり現職。著書に『知の構造化の技術と応用』『MOT経営学』など。

モノづくりの根幹を支える工作機械で世界一のシェアを誇るDMG森精機株式会社(以下、DMG。本社は名古屋)が2017年1月、東京都江東区に設立した先端技術研究センターは、デジタル社会の進展をにらみ、工作機械やものづくり産業といった枠を越えた横断的な知識を有する人材を『急速育成』することを目的とした企業内大学院だ。

IoT、インダストリー4.0、人工知能(AI)、協調ロボット、COP22による脱炭素、電気自動車(EV)、自動運転、フィンテック(ブロックチェーン)、シェアリングエコノミーなどは、遠い日の予測ではなく『既に起きている未来』であるという現状認識のもと、変革を主導する人材…

(※全文:4052文字 画像:あり)

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