次期経営者が「決まっておらず候補者もいない」中小企業が6割

経営コンサルティングを手掛ける株式会社フォーバルは1月31日、中小企業の経営者を対象に行った、事業承継に関する調査の結果を発表した。

調査は昨年11月から12月にかけて、全国の中小企業の経営者を対象に実施。934名から回答を得た。

次期経営者について決まっているか尋ねたところ、「決まっている」は19.9%、「決まっていないが候補者はいる」は25.2%。合わせても「決まっておらず候補者もいない」(55.9%)に及ばなかった。

「決まっている」、「決まっていないが候補者はいる」と回答した人(n=412)に、次期経営者やその候補者に後継者教育をしているか尋ねたところ、「している」が62.6%。「していない」(37.4%)を上回った。

「している」と回答した人(n=258)に、具体的にどのようなことを行っているか尋ねたところ(複数回答可)、「経営者との共同作業やプロジェクトへの参加」(44.8%)、「経営者との定期的な1on1の設定」(38.1%)、「パートナー企業や取引先への後継者紹介」(21.7%)がトップ3となった。

経営者と同じ環境で仕事をさせ、そのスキルやマインドを伝えている企業が多いことが判明した。

育成する上で難しさを感じている事柄について尋ねたところ(複数回答可)、「経営スキルの伝承」(42.3%)を抑えて、「経営者の経験やノウハウの伝承」(53.4%)と「承継すべき情報の整理」(49.8%)がトップ2となった。

経営者に必要なスキルはある程度決まっているが、経験やノウハウは多種多様であり、その伝承に苦心している様子が伺われた。

一方、次期経営者について「決まっておらず候補者もいない」と回答した人(n=347)に、年代別で今後の事業の予定について尋ねたところ、「55~59歳」以下の年齢層では「後継者を決めて存続する予定」が50%前後で最多だが、それよりも上の年齢層では「後継者は決めず廃業する予定」が最多となった。

「後継者は決めず廃業する予定」は、「60~64歳」では45.2%、「65~69歳」では61.9%、「70歳~」では56.3%。この年齢になっても後継者が見つからない場合、自身の代で事業を終わりとする経営者が多いことが伺われた。

調査結果の詳細は以下から見ることができる。
https://www.forval.co.jp/consulting/pdf/bluereport_202502.pdf

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