「知の交差」する拠点として半導体産業の未来を担う人材を育成

デジタル技術の高度化とともに半導体市場が拡大している。そうした中、半導体、デジタル産業分野の人材育成を目的に「福岡半導体リスキリングセンター」が誕生した。独自の講座体系と多彩な講師陣のもと、基礎から活用方法まで幅広く学べる同センターに大きな期待が集まっている。

半導体産業の基盤拡充に向け
いま必要な半導体分野の人材育成

井上 弘士

井上 弘士

福岡半導体リスキリングセンター 副センター長
九州大学大学院 システム情報科学研究院 教授
博士(工学)。主な研究分野はコンピュータアーキテクチャ。次世代の情報化社会を支えるコンピュータシステムに関する研究を中心に、超電導コンピューティング技術、光コンピューティング技術、量子コンピューティング技術、半導体集積回路技術、IoT技術などの研究を行っている。近年の主な共同研究・競争的資金等の研究課題は「ポストムーア時代を見据えた超伝導コンピューティング技術の創成と展開」「My-IoT開発プラットフォームの研究開発」など。

半導体の世界市場は2024年に過去最高の6,112億ドル(約95兆円)になるとの予測もある。この成長産業を日本経済の牽引役として再構築することは急務であり、政府も、いわゆる「骨太の方針」に次世代半導体量産・国内調達に向けた法整備の推進を盛り込んだ。

今年2月に、熊本県で台湾積体電路製造(TSMC)の工場が開所し、半導体分野は新局面を迎えている。その九州では、2023年8月、半導体やデジタル産業分野に精通した新たな人材の育成を目的とする「福岡半導体リスキリングセンター」が開設した。開設経緯について副センター長を務める九州大学大学院教授の井上弘士氏はこう語る。

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