発達特性のある子の不登校率全国平均の9.5倍 グレーゾーン支援に課題 PAPAMO調査
オンライン運動・発達支援サービスを手がけるPAPAMO株式会社が8月25日に発表した調査で、発達障害やその傾向がある「グレーゾーン」の小中学生における不登校の割合が35.47%に上り、文部科学省調査の全国平均(3.72%)の9.5倍に達するという深刻な実態が明らかになった。特に、診断が下りていない「グレーゾーン」の子どもは、学校への行き渋りを経験する割合がより高く、支援アクセスの課題が浮き彫りとなっている。
この調査は、発達障害やグレーゾーンの小中学生を持つ保護者1,500名を対象に実施されたもの。文部科学省の調査における小中学生の不登校率が3.72%であるのに対し、今回の調査対象者では35.47%が不登校の状態にあり、教育機会の著しい不均衡がデータで示された。
PAPAMO株式会社のプレスリリースより
また、学校への行き渋りや欠席を経験した子どもは全体の61.5%に上った。内訳を見ると、「診断あり」の子どもが57.6%であるのに対し、「グレーゾーン」の子どもは65.0%と、7.4ポイント高い結果となった。診断がないために適切な配慮や支援を受けにくい状況が、登校への困難さを増大させている可能性が示唆される。
行き渋りの要因としては、文科省調査で最多の「学校生活に対してやる気が出ない」(32.2%)とは異なり、「対人関係の問題」が上位を占め、発達特性を持つ子ども特有の困難さがうかがえる。さらに、行き渋りを経験している子どものうち19.5%が学校外の専門的な支援を受けておらず、支援へのアクセス自体が課題となっていることも判明した。
PAPAMO株式会社のプレスリリースより
PAPAMOの橋本咲子代表は「不登校や行き渋りは子どもや家庭の問題ではなく、特性にあった環境や支援が整っていない社会側の課題。多様な学びの選択肢を整えることが急務」とコメント。今回の調査は、特に支援が届きにくいグレーゾーンの子どもたちへの早期対応と、個々の特性に合わせた多様な教育機会の保障が急務であることを強く示している。