ビジネス視点を融合し、科学技術シーズの商業化促進

早稲田大学は7月14日、早稲田大学オープンイノベーション戦略研究機構の研究開発プロジェクトの一つである「科学技術と新事業創造リサーチ・ファクトリー」を基盤とし、大学内外の科学技術シーズの商業化に関するアクセラレーション・プログラムを開始したと発表した。

同ファクトリーは牧兼充准教授を核として実施するもので、第一段階として早大ビジネススクール(WBS)設置の夏クォーター科目「Lab To Market:科学技術の商業化と科学的実験」の授業に協力する形で、科学技術シーズの商業化を促進する。

科学技術の商業化のギャップ

出典:早稲田大学ホームページ

このプログラムには約40人の WBS の社会人学生が参加し、理工系の研究者と連携しながら、研究シーズの潜在市場を模索する。

現段階で早大内から3件、外部大学から3件の技術シーズの持ち込みがあり、プログラムの参加者が10のグループに分かれて検証を行っている。7週間(6月15日~7月27日)の間に研究者や潜在顧客へのインタビューなどを行い、科学技術シーズの応用分野の評価を実施。7月に外部評価員を招いた最終発表会(外部参加不可)を行い、9月に対外的な発表イベントのオンライン開催を予定している。

このアクセラレーション・プログラムは、従来の大学で行われているアントレプレナーシップ教育や、アクセラレーション・プログラムよりも、商業化ステージにおける前段階に位置づけられている。

アウトプットは科学技術シーズのビジネスモデルを構築するということよりも、科学技術シーズの研究自体の応用可能な潜在市場を見出し、必要に応じて共同研究パートナーを発見、もしくは研究の方向性を広げていくことを目的としている。今後は共同研究企業と協同してプログラムを立ち上げ、大学と企業が連携したオープンイノベーションを促進させていく予定だ。