奈良国立博物館 文化財を次代に継承、海外にも魅力を伝えるボランティアの力

奈良は8つの世界遺産をはじめとした、多くの文化財を保有する。これらをいかに保護・活用し次代に継承していくか。オンライン展示や体験型プログラムなど、さまざまな企画に挑戦している奈良国立博物館の取り組みを紹介する。

意欲あふれるボランティアが、子どもの世界遺産学習を後押し

谷口 耕生

谷口 耕生

奈良国立博物館 教育室・ボランティア室長、絵画部門主任
1972年生まれ。宮城県出身。専門は日本仏教絵画史。東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。五島美術館学芸員を経て、2001年より奈良国立博物館に勤務。

奈良公園の一角にある奈良国立博物館は1895年(明治28年)、帝国奈良博物館として開館した。飛鳥時代から鎌倉時代にいたる仏像を100体近くも常時展示し、仏教美術を中心とした文化財を保護すると同時に、国内外から訪れる多くの来館者への教育普及活動に努めている。

博物館における教育普及活動を考える場合、文化財の「保護」と「活用」という2つの視点が必要となる。同館教育室・ボランティア室の谷口耕生室長によれば、以前は両者を分けて考える風潮が…

(※全文:2177文字 画像:あり)

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