知が共鳴する場「HUB」がイノベーションを生む

イノベーションの創出では、共通の課題意識を持つ多様な人々が集まり「知が共鳴する場」が求められる。関西のイノベーションエコシステム構築に尽力してきたHuman Hub Japan代表の吉川正晃氏に、イノベーションに必要となる条件や「知が共鳴する場」の取り組みについて聞いた。

イノベーションを支える
HUB人材の役割

吉川 正晃

吉川 正晃

Human Hub Japan 代表
1977年クボタ入社後、米国勤務、子会社の取締役を経て、新規事業開発、事業経営の経験を積む。2013年に大阪市都市計画局兼経済戦略局の理事に就任し、イノベーション施策の推進責任者として「大阪イノベーションハブ」などを手がけ、新事業創出の支援コミュニティーを多数構築した。2017年フォーブス・ジャパン「Local Innovators Of the Year 2017」に選ばれた。

「イノベーション論には様々なものがありますが、イノベーションは新結合だと考えます」と吉川氏は言う。吉川氏は久保田鉄工(現:クボタ)で海外駐在やIT系新規事業の立ち上げ、子会社の経営を経験。

2013年には大阪市都市計画局兼経済戦略局理事でイノベーション施策推進責任者に就任し、「大阪イノベーションハブ(OIH)」の立ち上げに携わった。

「イノベーションは、一本の線の両極端を結びつけて輪にすることで生まれます。それは二項対立ではなく、良いところを取る調和や中道の精神を意味します」。両極端を調和させ、第三の道を創造する、「繋ぐ」機能が重要という。

「この考え方は、日本の伝統である『和の精神』です。日本では、西洋的な二項対立でなく、様々なものを調和させて付加価値を付け、第三の道が創造されてきました。例えば、日本には元々、神道がありましたが、これが仏教と融合して『神仏習合』の信仰が生まれました」

(※全文:1973文字 画像:あり)

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