イノベーションの源泉「人とのネットワーク」で危機感の解像度を高める

イノベーションに必要となる活動の源泉は「危機感」で、その解像度を高めるためにはネットワークが役立つ。東京ミッドタウン日比谷の「BASE Q」で大企業のオープンイノベーションを支援してきた三井不動産の光村圭一郎氏に、ネットワークを活かしたイノベーションの育成について聞いた。

新規事業だけでなく既存事業や
組織にも必要なイノベーション

光村 圭一郎

光村 圭一郎

三井不動産株式会社
柏の葉街づくり推進部 オープンイノベーション推進/スタートアップ活性化担当
2002年講談社入社。2007年三井不動産に転職。ビルディング本部にて開発業務、プロパティマネジメント業務に従事。2012年より新規事業担当。三井不動産初の本格的なインキュベートオフィス立ち上げを主導。2018年には、東京ミッドタウン日比谷に『BASE Q』を開設し、大手企業のオープンイノベーションを支援するプログラムの提供を開始。

光村氏は大学卒業後、講談社の編集者を経て2007年、三井不動産に入社。現在は、柏の葉街づくり推進部でオープンイノベーション推進やスタートアップ活性化を担当する。

三井不動産では2012年から新規事業を担当し、2015年には全社横断的な新規事業部門として「ベンチャー共創事業部」を立ち上げた。さらに2018年には東京ミッドタウン日比谷に「BASE Q」を開設し、大手企業のオープンイノベーションを支援するプログラムの提供をスタートさせた。

「私は『イノベーション』と『新規事業』という2つの言葉を使い分けています」と光村氏は話す。順調な企業は既存事業が強く、効率的な運営に注力しがちだが、時代が変遷する中で既存事業が将来も同じ強さを維持できるとは限らない。

「特に外部環境の変化が激しい時代には、既存事業の陳腐化のスピードも加速し、予想外の形でディスラプト(破壊的革新)されることもあります。この危機感から、多くの企業が新規事業という柱を加えています」

一方で、既存事業でも改善やアップデートを通じたイノベーションが必要になる。

「新規事業の創出にはイノベーションを起こさなければなりません。加えて、社会や環境の変化に応じて既存事業をアップデートし、さらに組織イノベーションも求められます。新規事業でも既存事業でも、イノベーションと向き合うことが、どの企業にも求められています」

(※全文:1937文字 画像:あり)

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