埼玉ハンノウ大学 まち全体を「キャンパス」に、文化を自分たちで育てる
埼玉県南西部の飯能市で、まち全体を「キャンパス」に見立てるNPO法人埼玉ハンノウ大学が正式開校して3年が経過した。古くは林業で栄えたものの、今は人口減に直面する地域の課題にどう向き合っているのか。理事で学長の小野まり氏に設立経緯や現在の取り組み、今後の抱負を聞いた。
英国暮らしで見えた飯能の魅力
日本版ナショナル・トラスト始動
小野 まり
飯能市は中心部から都心まで電車でもクルマでも1時間弱と交通至便ながら、市の75%を森林が占めるなど、豊かな自然環境に恵まれる。同市を含め、荒川支流の入間川・高麗川・越辺川の流域は西川林業地と呼ばれ、江戸時代はスギ・ヒノキなどの「西川材」を江戸に流送し、江戸城の築城にも使用されたという。かつて林業で栄えた飯能だが、近年は人口減少が続き、2005年の約8万5,000人をピークに緩やかに減少し、現在は8万人に満たない。2014年に「消滅可能性都市」が発表された際には、その1つに数えられたこともある。
埼玉ハンノウ大学(以下、ハンノウ大学)は、こうした状況を打開しようと、…
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