対馬市、事業構想大らとプロジェクト研究を立ち上げ
対馬市、サラヤ株式会社、一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブ、事業構想大学院大学の4者は5月14日、プロジェクト研究「対馬ブルーカレッジ:次世代海業創出プロジェクト研究」を立ち上げた。
対馬市域のビジネスパーソンおよび個人事業主10名ほどを対象に、今年6月から来年3月にかけて、1回約4時間の研究会を20回開催。アイデア発想から事業計画策定まで、事業構想大学院大学のカリキュラムを生かした教育を無償で提供し、対馬市域の発展と海洋問題の解決をもたらす新規事業を構想できる人材を育成する。
対馬市は日韓の国境近くに位置する、人口約2万7千人の離島自治体。水産業、観光業が主産業と、海の豊かさにより社会経済が支えられてきた。
しかしその海には近年、大量の海洋プラスチックが漂い、地球温暖化による海水温の上昇で生態系が激変。この危機を乗り越えるには、新たな発想で事業を構想し、イノベーションを起こせる人材を育てる必要があるとの考えから、プロジェクト研究の立ち上げに至った。
海洋課題解決のための産官学連携プラットフォームであるブルーオーシャン・イニシアチブは、「対馬未来会議2023」を開催するなど、以前から対馬市と協力してきたことから、また自然派の洗剤メーカーであるサラヤは、趣旨に賛同したことから参加。サラヤが対馬市に寄附した企業版ふるさと納税が、プロジェクト研究の財源となっている。
対馬市長の比田勝尚喜氏は、「対馬ブルーカレッジから、対馬そして日本・世界の海の社会課題を解決できるようなイノベーターが生まれること、そして美しく豊かな海を次世代につなげられることを祈念している」と語った。
対馬市交流センターにて行われた合同記者会見の様子。左から、代島裕世・サラヤ取締役、廣中龍蔵・ブルーオーシャン・イニチアチブ事務局長、田中里沙・事業構想大学長、比田勝尚喜・対馬市長。