子どもの日々の気づきを見守りつつ、未来へ確実につながる力を育む

文京区とお茶の水女子大学が、幼児教育の質の向上を目指して開設した「お茶の水女子大学こども園」。ここで日々実践されている乳幼児教育とは、どのようなものなのか。また、保育の質の向上のために、保育者たちに今必要とされているものは何なのか。園長の宮里氏に聞いた。

「つながる」をキーワードに、子ども主体の保育を実践

宮里暁美

宮里暁美

お茶の水女子大学人間発達教育科学研究所教授
文京区立お茶の水女子大学こども園園長
国公立幼稚園教諭、お茶の水女子大学附属幼稚園副園長を経て、平成28年4月より現職。主な研究領域は保育学全般、幼小接続、子育て支援論、遊び環境。『子どもたちの四季~小さな子をもつあなたへ伝えたい大切なこと』(主婦の友社)著、『0-5歳児 子どもの「やりたい!」が発揮される保育環境』(Gakken 保育 Books)監修、『思いをつなぐ保育の環境構成 0・1歳クラス編』(中央法規出版)編著など、著書多数。

お茶の水大学の敷地内に位置する、お茶の水女子大学こども園。文京区と大学が待機児童解消と乳幼児教育の質の向上を目指して新設した、保育所型認定こども園だ。

「ここは10年間という期間限定で立ち上げられた非常に珍しいタイプの園で、今年で5年目になります。幼児教育の実践と研究を通して、認定こども園の在り方について具体的な提案ができる場にしようということで、この園ができました」と宮里氏は語る。お茶の水女子大学の幼児教育の専門家がここで記録をとることもあれば、理学部などの他学部の教授が学生と一緒に来て、子どもたちの探究的な経験が深まるような遊びを提案してくれることもあるという。

「保育理念の大前提となっているのは、『育ての心』です…

(※全文:2698文字 画像:あり)

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