子どもの自己肯定感を育むには
総合保育テックサービス「はいチーズ!」を提供する千株式会社は8月22日の「はいチーズ!の日」に合わせ、写真と子どもの自己肯定感の関係性に関する調査結果を発表した。日本の子どもの自己肯定感の低さは社会課題となっており、こども家庭庁が2024年に発表した調査では「自分に満足している」と答えた子どもの割合は諸外国に比べ極めて低い水準にある。
千株式会社のプレスリリースより
同社の調査からは、多くの保護者が写真を通じて子どもの前向きな変化を実感している一方で、親子で一緒に写真を見返す機会が意外に少ないという実態が浮かび上がった。こうした中、今回の調査は、保育園や幼稚園・小学校に通う子どもを持つ保護者1,225名を対象に実施された。
千株式会社のプレスリリースより
調査結果によると、子どもの自己肯定感に「不安・課題がある」と感じる保護者は28.7%に上った。その一方で、59.1%が写真を通じて「子どもが自分に自信を持ったり、前向きな気持ちになる」と感じた経験があると回答。「笑顔が増える」「楽しかった出来事を具体的に話すようになる」など、写真がもたらす良い変化が確認された。
しかし、写真を見返す頻度については、「保護者のみ」では週1回以上が55.6%だったのに対し、「子どもと一緒」となると40.2%に減少。写真が親自身の楽しみになりがちで、子どもの自己肯定感を育む機会として十分に活用されていない可能性が示唆された。
この点について、教育評論家の親野智可等(おやのちから)氏は、子どもの写真を飾り、日常的にほめる「ほめ写」の重要性を提唱している。親野氏は「無条件にほめることによって、子どもは親の愛情を実感できるようになり、自分の存在も肯定できるようになります。すると、他者を思いやる気持ちや頑張るエネルギーが自然にわいてきます」とコメント。
写真を飾るという行為自体が子どもの存在を認めているというメッセージになり、写真を見ながら自然な会話の中で努力や成長を伝えることが、子どもの心の土台を築く上で効果的だという。今回の調査は、教育現場や家庭において、写真を活用した新たなコミュニケーションの可能性を示すものと言えそうだ。