荒唐無稽なアイデアも見捨てない、「失敗」の繰り返しが発見を生む

思わぬミスが、時に世紀の発見につながるように、イノベーションと切り離せない失敗。ミスを恐れず許容し、失敗から学ぶ環境がイノベーションの創出を後押しする。ものづくりの領域で失敗学を研究する中尾政之氏に、失敗の活かし方を聞く。

仮説立証がサイエンスの基本
「なぜ・何のために」が重要

中尾 政之

中尾 政之

東京大学大学院工学系研究科 教授
博士(工学)。1983年に東京大学大学院工学系研究科修士課程修了後、日立金属に入社、磁性材料研究所に勤務。1989年、HMT Technology Corp.(米国カリフォルニア州)に出向し、磁気ディスク生産設備の立ち上げに従事。1992年より東京大学工学部助教授、2001年より現職。ナノ・マイクロ加工、加工の知能化、科学器械の微細化などの生産技術に関する研究と同時に、失敗学、創造学領域も研究。主な著書に、『ゼロから1を生む思考法』『失敗百選』など。

東京大学大学院から日立金属に入社し、開発・設計・生産と幅広く従事。1992年に大学へ戻り、ナノ・マイクロ加工等の研究を手がける中尾教授。2002年に『失敗学のすすめ』を著した畑村洋太郎氏とともに『失敗学会』を立ち上げている。

「失敗は、致命的なものでない限り、何回しようが構わない。『期待通りに進まない』ことは些細な失敗です。成功確率を考えれば当然ですから、委縮する必要は全くありません」と中尾教授。

(※全文:2451文字 画像:あり)

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