政策のガバナンス 知識の多元性の確保
公共政策のガバナンスの向上のためには、政策に投入される知識のあり方を検討する必要があります。公共政策にとって必要になるのは、研究者や専門家が提供する理論知・専門知だけではありません。今回は政策を構成する知識の多元性とその確保のための手法を説明していきます。
理論知・専門知の限界
![秋吉 貴雄](https://cdn.sentankyo.jp/uploads/2024/05/24/ZNyPGdobts7qJTE4eGsAw2oefcf5y3IeNC5s6wPs.jpg)
秋吉 貴雄
中央大学 法学部 教授
一橋大学博士(商学)。専門は公共政策学、政策過程論。主に、政策決定過程の理論研究と規制改革等の事例分析とを行ってきた。近年は、政府組織における学習(政府学習)、政策プロセスのマネジメント、ルールチェンジ・ルールメイキングのプロセスと戦略といった領域に関心を持って研究を進めている。
前回見ましたように、公共政策の改善のためにPDCAをはじめとする政策マネジメントが行われます。政策がもたらした結果を評価し、評価結果から政策をどのように改善すべきか検討が行われます。このような政策の「マネジメント」とあわせて重要になるのが、政策の「ガバナンス(統治)」という考え方です。公共政策学、特にその中核にある「政策科学(policy sciences)」において政策の「ガバナンス」のあり方を考えるきっかけとなったのが、政策に投入される「知識」をめぐる問題です。
(※全文:2667文字 画像:あり)
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