文部科学省、令和8年度全国学力・学習状況調査の結果を公表

文部科学省と国立教育政策研究所は2026年7月16日、令和8年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。調査は小学校6年生と中学校3年生を対象に、2026年4月20日から5月29日にかけて行われた。小学校は国語と算数、中学校は国語・数学・英語の3教科について学力調査を行い、児童生徒本人と学校を対象とした質問調査もあわせて実施した。解答用紙を提出した児童生徒は、小学校が国語で93万4607人、算数で93万4973人、中学校が国語で86万4717人、数学で86万5360人、英語で86万1464人にのぼった。

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今回の調査では、中学校の英語について「聞くこと」「読むこと」「書くこと」「話すこと」の4技能を、すべてコンピューターを使った試験方式であるCBT(Computer Based Testing)で実施した点が特徴となった。小学校の児童質問調査でも、設問をランダムに出し分ける方式が新たに導入されている。

平均正答率は、小学校の国語が61.1%、算数が56.6%だった。中学校は国語が64.2%、数学が57.4%で、英語は4技能を統合したIRTスコア(項目反応理論に基づく指標で、基準値は500点)で499点を記録した。文部科学省は、出題内容や難易度が年度によって異なるため、過去の調査結果と単純に比較することは適当ではないと説明している。

数学は応用力、英語は「話すこと」に課題

中学校数学を教科の観点別にみると、知識・技能の正答率は63.3%だった一方、思考・判断・表現は39.6%にとどまり、両者の差が際立った。記述式問題の正答率も39.6%で、選択式の59.6%を下回っている。なかでも、グラフから読み取った情報をもとに数学的な説明を書かせる設問は正答率34.5%にとどまったうえ、無解答のまま提出した生徒が全体の39.0%に達した。数量の関係を言葉や式で説明する力に、課題が集中している様子がうかがえる。

英語についても、話すことを問う設問は総じて正答率が低かった。自分のまちを訪れるのにおすすめの季節を理由とともに話す設問は正答率21.5%、学校生活をよりよくする方法について聞いた内容をもとに自分の考えを話す設問は正答率25.8%となり、後者は無解答率も17.0%に達して「話すこと」のなかでは最も高い水準となった。書くことについても、社会的な話題を読んで自分の考えと理由をまとめる設問の正答率が28.4%にとどまるなど、自分の考えを言葉で組み立てて表現する力に課題が見られる。

ICT活用への意識は9割超

こうした学力面の結果に対し、児童生徒への質問調査では前向きな回答が目立った。約80%が「主体的・対話的で深い学び」に取り組んだと回答したほか、ICT機器を活用することで「楽しみながら学習を進めることができる」「友達と協力しながら学習を進めることができる」と考える児童生徒は、いずれも約90%を占める。挑戦心や好奇心に関する質問に肯定的に回答した児童生徒は約70%から90%にのぼり、授業の内容がよく分かると答えた児童生徒とあわせて、いずれも各教科の正答率が高い傾向が示された。

学力調査の結果とあわせて、文部科学省は今後の公表スケジュールも示した。結果公表は今回を含めて3段階に分けて行われる。今回公表されたのは、正答率やIRTバンド分布などの全国平均を示す結果公表(1)にあたり、学校向けの帳票と個人票もあわせて提供された。教育委員会向けの帳票は2026年7月27日に配布される予定だ。全国データに基づく分析結果となる結果公表(2)は8月3日に、都道府県・指定都市別データに基づく結果公表(3)は9月以降、秋ごろを目途に公表される見通しである。