若者向けオンライン就労支援推進のため協定締結 育て上げネットと岩沼市

認定NPO法人育て上げネット(東京都立川市、理事長:工藤 啓)は3月14日、宮城県岩沼市(市長:佐藤 淳一)と、ひきこもりなど社会的孤立状態にある若者を対象とするオンラインを活用した就労支援を推進するための協定を締結すると発表した。

育て上げネットは、認定特定⾮営利活動法人として無業の状態にある若者の就労基礎訓練プログラム「ジョブトレ」や、その保護者の支援、学校やコミュニティ向けの教育支援プログラムを実施。当事者だけでなく、地域社会・行政・企業と連携した支援者の育成など、多岐に渡る活動を展開してきた。

一方の岩沼市では、ひきこもりで悩む人に対し早期支援ができるよう、県内の他の自治体に先駆けてひきこもりサポート事業を実施し、居場所支援を進めてきた。

しかし、居場所から社会へつなぐ手段が不足しており、課題の1つとなっていたため、市民に向けた支援をさらに拡充させることを目的に、2015年からパソコンやスマートフォンを介したオンライン環境での就労支援に取り組み、このたび全国的な支援実績を持つ育て上げネットと連携してオンライン就労支援を推進することとなった。

育て上げネットでは、市民それぞれが望む形で複数の支援を届けていくため、新たな相談窓口としての活用やスモールステップで就労できる能力を育む機会として提供していきたいとしており、オンラインを活用することで、誰にも悩みを相談できず困っている人に対して、家に居ながら相談できるという新しい支援の選択肢を届けられることが期待されるとしている。

就労支援は長らく対面支援を前提としており、新型コロナウイルスの影響で活動自粛を余儀なくされた。育て上げネットでは「支援を途切れさせない」ため、いち早くビデオ通話システムを介した支援環境を拡大し、若者との接点を用意したところ「対面でなくオンラインでなら相談したい」という声が増えていったという。こうした声に応え自粛要請緩和後もオンライン支援を継続し、2022年には300名以上の若者が利用したという。

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