勤務間インターバル、男性育休制度は広がるか ワーク・ライフバランス調査

働き方改革コンサルティングを提供する株式会社ワーク・ライフバランス(東京都港区、代表取締役:小室 淑恵)は、2022年12月に「第4回働き方改革に関するアンケート」を実施し、このほど調査結果を発表した。

本調査は、2019年度から働き方改革をより推進していくことを目的に、働き方改革に効果的な施策や課題、新たな環境変化への対応方法などを探るべく、全国の20代以上のビジネスパーソンを対象に、働き方改革の実態について調査したもの。

今回の2022年度調査では、昨年度までのCOVID-19の働き方への影響をふまえ、改めて働き方改革の取組み状況とあわせ、22年4月の育児・介護休業法改正後の男性の育児休業取得および勤務間インターバル制度に関する捉え方についても調査が行われた。

その結果、働き方改革がうまくいっている企業では「業績が向上した」とする回答が64.6%と最も多く、実施する取組みは「オフィスの改修や在宅勤務制度、通勤手当など勤務環境の改善」(66.7%)や「部門間の連携を強化する取組み」(58.6%)「勤務時間インターバル制度の導入」(58.0%)が上位となった。

勤務間インターバル制度を導入する企業は30.6%で、勤務間インターバル制度の導入障壁として「メンバーが休む分を管理職が吸収するなど、一部でさらなる長時間労働化が進む」(30.3%)、「全員分の勤務管理の手間」(28.7%)、「既に人手不足で悩んでいるため」(26.9%)などが並んだ。

また、自社に男性育児休業者がいる割合は48.7%と昨年度を7ポイント以上上回り、次の一手として「転勤制度の廃止」(65.7%)が期待される結果となった。男性育児休業者が不在の企業では「経営層からの発信がない」(51.4%)、「職場全体の残業削減が進んでいない」(43.9%)、「収入に対する補填がない」(40.2%)が要因の上位になり、経営者のコミットメントや社内外に向けた男性育休の取得促進方針の発信、男性育休を取得しやすくするための職場環境の改善・残業に頼った働き方からの脱却が求められる結果となった。

調査を行ったワーク・ライフバランス社は、今回の結果から、「勤務間インターバル制度も3割を超える企業がすでに導入しており、今後も導入企業数が増加することが予測されます」とし、「2022年11月には自民党が『勤務間インターバル推進プロジェクトチーム(PT)』を発足させるなど、国・企業の働き方の新しい施策として注目が集まるなか、企業としても先手を打った戦略的取組みが求められているフェーズといえる」としている。

男性の育児休業取得に関しては、「認知度が急速に広がっていること、さらなる後押しには経営者の強力な意思表明と残業削減等の働き方の基本的な取組みが求められる」ことがわかったとしている。

今年2月28日に厚生労働省が公表した人口動態統計(速報値)では2022年の出生数は前年比5.1%減の79万9728人で、1899年の統計開始以降初めて80万人を下回ったことが明らかとなっており、同社では「父親の育児参画を後押しする男性の育児休業にまつわる企業の取組みはますます重要になっていく」と分析している。

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働き方改革がうまくいっていると回答した人の組織の取り組み(株式会社ワーク・ライフバランスのプレスリリースより)