AIによる人材アセスメントに関する論文が国際会議で受賞 ACES
東京大学松尾研発のAIスタートアップである株式会社ACES(東京都文京区)は、リーダーの発見・育成と組織の成長支援を行う株式会社リードクリエイトと人材アセスメントにおけるAI活用に関するDXプロジェクトを行っている。今回、プロジェクトの研究成果の一つとして、AIによる人材アセスメント支援業務におけるケーススタディに着目した論文『AI for human assessment: What do professional assessors need?』が、CHIのCase StudyトラックでHonorable Case Study賞を受賞した。これは全投稿124本中のトップ3本に与えられる賞だという。
ACM CHIとは、ヒューマンコンピューターインタラクション(HCI)分野の主要な国際会議のひとつだ。ACM CHIは「インタラクティブなデジタル技術で世界をより良い場所にする」という包括的な目標を掲げ、世界中からさまざまな文化、背景、立場の研究者や実践者が毎年集まる。採択された論文については、ドイツのHamburgにて発表を行った。
今回採択された論文『AI for human assessment: What do professional assessors need?』は、ACESと株式会社リードクリエイトが取り組んでいる人材アセスメントにおけるAI活用に関するDXプロジェクトの研究成果として、ACESのリサーチフェローである荒川陸氏と筑波大学の矢倉大夢氏が執筆、投稿したものだ。
人材アセスメントは被評価者の発言や挙動の機微を読み取ることが求められることに加え、人事考課にも結びつくものである点から、AI技術の導入は進んでいなかった。今回の研究では、評価の過程のブラックボックス化を招くことなく、アセスメント業務を効率化するためのAI技術を提案した。Amershi 博士らによると、人とAIが協働する際には、人とAIの間のTrust(信頼関係)が大切だと提唱されている。「表情、姿勢、頭の傾き、視線」といったマルチモーダルな行動特徴の自動センシングと異常検知アルゴリズムを組み合わせることで、人材評価者による解釈性や説明可能性を持たせ、プロのアセッサーがAIを使うときのTrust(信頼関係)を担保した。
ACESは今後、人材評価に限らず、営業、教育現場などの複数領域でコミュニケーションのデジタル化を推進していくことで、アカデミアの価値をビジネス(事業価値)に接続するブリッジする役割を担うことを目指すとしている。
株式会社ACES・プレスリリースより