環境や課題が共通する学校同士で探究カリキュラムの相談会 カタリバ

認定NPO法人カタリバ(本部:東京都杉並区)は、実践型探究学習プログラム「マイプロジェクト」事業の一環として、全国の高校を対象に、探究カリキュラムについて検討を行う「カリキュラム相談会」を月に1回程度開催すると発表した。

総合的な探究の時間が新設された新学習指導要領の施行まであと1年となる中、38%もの教員が総合的な探究の時間に向けて「準備をしていない」と回答をしているという調査もある。また、探究の取り組みは教育課程内で始まったばかりで、先進事例は全国各地に散らばった状態のままであり、情報共有の仕組みもまだまだ発展途上にある。しかし、悩みや課題があっても校内に相談できる先があるわけではなく、教員が悩んでいてもそれを解決できないという問題がある。

上記のような背景から、2013年から探究・マイプロジェクトに取り組む全国の高校と協働してきたカタリバのマイプロジェクト事業は、ある程度類似した環境や課題感を持っている学校同士がオンラインでつながり、それぞれのカリキュラムやカリキュラムの遂行に伴う課題などを定期的に話し合う「カリキュラム相談会」を立ち上げた。

カタリバのマイプロジェクト事務局では、高校生たちの主体的な探究やアクションを伴うマイプロジェクトの学びに伴走する教育関係者を対象としたコミュニティ「パートナー制度」を2019年度から展開している。2020年度は455団体(うち学校322校)の登録があり、2021年度も既に500を超える団体が登録している。

「パートナー制度」パートナー向けのサポートとして、探究・マイプロジェクトに関する情報誌の提供や先進事例校の教員をゲストに招いた月1回程度のオンライン勉強会の開催に加え、今年度新しく始めたのが「カリキュラム相談会」だ。これは、探究的な学びを推進する学校の環境や課題感などにおいて、似たような状況にある学校の教員同士でペアを組み(期間中は原則同じペアでの参加を想定)、定期的にカリキュラム相談を行うものだ。今年度、初回となる第一期(2021年5〜11月開催)には、公立学校8校、私立学校4校、合計12校の探究担当教員が、カリキュラム相談会への参加を表明している。

21.6.16news1