文科省、「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業」の支援対象校を発表

文部科学省は12月22日、「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業」の支援対象校を発表した。
「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業」は、いわゆる「10兆円大学ファンド」と並ぶ、わが国の研究力の向上を目的とした支援事業。2022年度第2次補正予算に盛り込まれ、2023年度が初年度となる。
何らかのテーマのもと、他大学との連携等を通じ研究力の強化に取り組む、地域の中核大学や特定の研究分野に強みを持つ大学を、独立行政法人・日本学術振興会内に設けられた「地域中核研究大学等強化促進基金」から支援する。支援は5年間に渡って行われる予定。
5月下旬から7月下旬にかけて行われた公募には69校から応募があり、その中から12校が採択された。
採択された大学とそのテーマは以下の通り。(括弧内は連携大学)

<国立大学>
・北海道大学…フィールドサイエンスを基盤とした地球環境を再生する新たな持続的食料生産システムの構築と展開
・千葉大学…免疫学・ワクチン学研究等を戦略的に強化し、成果の社会実装に繋げるとともに、取組を学内に横展開する
・東京農工大学(電気通信大学、東京外国語大学)…西東京の三大学が食とエネルギー研究を海外展開し、国際イノベーション創出するための研究力強化を推進する
・東京芸術大学(香川大学)…アートと科学技術による「心の豊かさ」を根幹としたイノベーション創出と地域に根差した課題解決の広域展開
・金沢大学(北陸先端科学技術大学院大学)…予測不可能な時代の社会変革を主導する文理医融合による非連続的なイノベーションを起こす世界的拠点の形成
・信州大学…水関連先鋭研究を核に、研究の卓越性、イノベーション創出、地域貢献を三本の矢として一体推進する
・神戸大学(広島大学)…バイオものづくりの卓越した基礎研究と社会実装の両輪で世界をリードするイノベーションを継続的に創出
・岡山大学…地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学~持続可能な社会を実現させる 10 年構想~
・広島大学(神戸大学)…放射光による物質の視える化技術を核とした半導体・超物質及びバイオ領域融合型産業集積エコシステムの実現

<公立大学>
・大阪公立大学(長岡技術科学大学)…イノベーションアカデミー事業の推進によるマルチスケールシンクタンク機能を備えた成熟都市創造拠点の構築

<私立大学>
・慶應義塾大学(沖縄科学技術大学院大学)…智徳の協働で、多様な研究拠点を生み出し育む「土壌」を醸成し、比類なき研究で未来のコモンセンスをつくる
・沖縄科学技術大学院大学(慶應義塾大学、琉球大学)…【OIST-neXus戦略】国際卓越性追求、破壊的イノベーション創出、沖縄振興、ゲートウェイ機能強化

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